『シグニット号の死』F.W.クロフツ【感想】フレンチ警部に旅をさせてやってくれ

THE END OF ANDREW HARRISON 1938年発表 フレンチ警部17 中山善之訳 創元推理文庫発行 前作『フレンチ警部と漂う死体』 次作『フレンチ警部と毒蛇の謎』 フレンチ警部シリーズも第17作になりました。『ヴォスパー号の喪失(遭難)』 『船から消えた男』『フ…

ROCK AND ROLL AND RAMBLE【Ed Sheeran】

前回Elvis Presleyの記事から一気に現代にまでタイムスリップしてしまい、この間の5~60年のロック史がいったいどうなったのか触れないことをご容赦ください。 Ed SheeranとElvis Presley、もちろん全く違う国の異なったアーティストであるのは間違いないの…

『四人の申し分なき重罪人』G.K.チェスタトン【感想】逆説戦隊

FOUR FAULTLESS FELONS 1930年発表 ノンシリーズ 西崎憲訳 ちくま文庫発行 ミステリ作家としてのチェスタトンの人生の中でも晩年に発表された中編集です。 新聞記者ピニオン氏は特ダネの取材のため、ある高名な貴族の取材のためにロンドンを訪れます。そこで…

閉所愛好家の謎【反省】

先日は作品と言うのもおこがましいレベルの作品に目を通していただきありがとうございます。 閉所愛好家の謎【問題編】 閉所愛好家の謎【解決編】 【解決編】はなんと約50名もの方に読んでいただいたようで、本当にうれしいです。 今は、はじめて最初からオ…

閉所愛好家の謎【解決編】 

まさか、問題編を超える文字数になるなんて思いもしませんでした。いかに問題編にちゃんと手掛かりを配置できていなかったか、ということでしょうか。 無駄な記述が多いせいかもしれません。トリックに苛立ってもビン・カンを投げないように。危ないです。 …

閉所愛好家の謎【問題編】

短篇ミステリを書いてみた。 きっかけはTwitterでフォローしているこいさんの謎解きクイズ。 こい on Twitter: "【FILE4:100万円で作家デビュー!】 はじめて見取り図というものを描いた(正解者10名で解答公開) #謎解きクイズ… " めちゃくちゃ面白いのでみ…

ROCK AND ROLL AND RAMBLE【Elvis Presley】

ベイビー・ドライバーの影響で高校生の時以来の洋楽ブームが到来しております。 ベイビー・ドライバーの影響でiPodも買ったし、Apple Musicにも加入済み。気になる音源を片っ端からDLし、どばどばと耳から注ぐ日々が続いています。だめだ。全然本が読めねえ…

ベイビー・ドライバー【映画】お前はおれか?

ちょうどNetflixでも公開されていたので、見てみました。 アカデミー賞ノミネート作品ということと、定期購読している偽物の映画館さんでも「一番好きな映画」と大絶賛だったので、期待値は上がりまくり。 事前情報も、天才的なドライバー通称”ベイビー”が銀…

人生初めてのDIYをしたので記録しておこっと【準備物編】

GWを利用して、「やってみよう」をやってみた。 そうDo It Yourself、DIYである。 元々は、電動工具を買って、引っ越しの際に出た大型家具等の粗大ごみの解体を行う予定だったのだが、面倒くさくて家族への愛に突き動かされて、妻から依頼されていた「洗濯機…

『ドラゴンの歯』エラリー・クイーン【感想】遅れてきた思春期

The Dragon’s Teeth 1939年発表 エラリー・クイーン14 青田勝訳 ハヤカワ文庫発行 前作『ハートの4』 次作『災厄の町』 ついにライツヴィルの入り口までたどり着きました。ハリウッドシリーズ最後の一作です。ハリウッドシリーズと言っても、舞台はクイーン…

『宇宙戦争』H.G.ウェルズ【感想】歴史的名作に異論なし

The War of the Worlds 1898年発表 H.G.ウェルズ著 中村融訳 創元SF文庫発行 SF小説の歴史を作った作家H.G.ウェルズの代表作を読みました。 新潮文庫の『ウェルズ傑作集1』収録の前日譚『水晶の卵』で予習も十分。 正直こういう「歴史的名作」と謳われてい…

自書自賛

ブログ『僕の猫舎』も七年目に突入しました。七年も続くってよく考えると凄い、控えめに言っても偉業ですよね。小学校~中学校で考えると、まだひらがなさえ覚束なかった頃から、いつの間にかXとかYを使って代入までできちゃうくらいですからね。教科変わっ…

『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン【感想】不思議な感動が胸を貫く

H.M.S.Ulysses1955年発表 アリステア・マクリーン著 村上博基訳 ハヤカワ文庫NV発行 またとんでもないものを読んでしまった。自分のDNAの中には絶対にないフレーズが溢れだす。死にゆく男たちの祈りとか、生から死までを司り、地獄の業火をも呑み込む暴乱の…

ぼくねこ、家を買う【高いよ、オプション編】

何とか年度内に家が建ちそうだ。住宅ローンの手続きや新居の調度類の調達も少しずつ進んでいる。 今まで、家を建てるまでの準備編やハウスメーカー(以下、HM)の選び方、営業マンの見極め方など、なんの根拠もない主観で色々と書いてきたが、今日もそれを超…

『エラリー・クイーンの新冒険』エラリー・クイーン【感想】物語同士のギャップも魅力

The New Adventures of Ellery Queen 1935~1939年発表 エラリー・クイーン 中村有希訳(旧版:井上勇訳)創元推理文庫発行 前作『エラリー・クイーンの冒険』 各話感想 『神の灯』(1935) 今回、新旧の『新冒険』と併せて嶋中文庫の『神の灯』も読みまして…

『十角館の殺人』綾辻行人【ネタバレ感想】自分にとっては遅効毒だったみたい

1987年発表(2007年新装改訂) 島田潔(館シリーズ)1 講談社文庫 次作『水車館の殺人』 粗あらすじ 超ネタバレ感想 おわりに 粗あらすじ 調度品の悉くが正十角形を模り、摩訶不思議な幽霊騒ぎや陰惨な怪奇事件が纏わりつく十角館を訪れた、大学の推理小説…

2020年読了ミステリベストテン

2020年も一年間当ブログにお越しいただきありがとうございます。今年も昨年度に引き続き、ブログ活動は停滞気味でした。今年転勤したことと、マイホームの打ち合わせや準備に時間を奪われたのが主な理由です。そんなこんなで、今年読めた本は、なんとブログ…

『誘拐殺人事件』S・S・ヴァン=ダイン【感想】ハードボイルドの勢いに押され蹴躓いた一作

The Kidnap Murder Case 1936年 ファイロ・ヴァンス10 井上勇訳 創元推理文庫発行 前作『ガーデン殺人事件』 次作『グレイシー・アレン殺人事件』 ネタバレなし感想 《謎探偵の推理過程》 ネタバレなし感想 さてさてファイロ・ヴァンスシリーズもいよいよ10…

M-1グランプリ2020総評

コロナ禍の中ではありましたが、史上最多の参加者になったM-1グランプリ2020。暗く先の見えない世の中で、少しでも楽しませたい、笑わせたい、そんな芸人たちの熱い気持ちがひしひしと伝わってくる例年以上に良い大会でした。と同時に、いつも以上に荒れた大…

『ウェルズ傑作集1』H.G.ウェルズ【感想】タイム・マシンはマジでオススメ

1895~1905年発表 阿部知二訳 創元推理文庫発行 本書は、「SF小説の父」とも呼ばれるハーバード・ジョージ・ウェルズによる傑作中編・短編をまとめた日本独自(創元推理文庫)編纂の短編集です。本書には『タイム・マシン』を始めとする6の中短編が、『ウ…

『骨董屋探偵の事件簿』サックス・ローマー【感想】フー・マンチュー以外にも面白いのあるはず、もっと翻訳しませんか?

The Dream Detective 1920年発表 骨董屋探偵モリス・クロウ 近藤麻里子訳 創元推理文庫発行 サックス・ローマーという男 各話感想 『ギリシャの間の悲劇』 『アヌビスの陶片』 『十字軍の斧』 『象牙の彫像』 『ブルー・ラージャ』 『囁くポプラ』 『ト短調…

『ハイヒールの死』クリスチアナ・ブランド【感想】説得力は無いが確かに傑作の萌芽が在った

Death in High Heels 1941年発表 チャールズワース警部1 恩地三保子訳 ハヤカワ文庫発行 次作『ジュゼベルの死』(コックリル警部4) クリスチアナ・ブランドという女 ネタバレなし感想 《謎探偵の推理過程》 クリスティやクイーン、カーと並び称される推…

『フレンチ警部と漂う死体』F.W.クロフツ【感想】名作のポテンシャルはあり

Found Floating 1937年発表 フレンチ警部16 井伊順彦訳 論創海外ミステリ 前作『船から消えた男』 次作『シグニット号の死』 ネタバレなし感想 本作のテーマは王道中の王道、富豪の一家に巻き起こる親族間の争いです。人生の晩年に差し掛かり気力体力ともに…

『(三十)棺桶島』モーリス・ルブラン【感想】冒険小説としても傑作

L'île aux trente cercueils 1919年発表 怪盗アルセーヌ・ルパン8 堀口大學訳 新潮文庫発行 前作『金三角』 次作『虎の牙』 ネタバレなし感想 Wikipediaによると、本作は横溝正史の名作『獄門島』や『八つ墓村』へ影響を与えたと示唆されており、ミステリフ…

『その裁きは死』アンソニー・ホロヴィッツ【感想】次もめっちゃ期待しているのは秘密だ

The Sentence Is Death 2018年発表 ダニエル・ホーソーン2 山田蘭訳 創元推理文庫発行 前作『メインテーマは殺人』 ネタバレなし感想 《謎探偵の推理過程》 おわりに ネタバレなし感想 『メインテーマは殺人』に次ぐ、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第二…

『テニスコートの殺人』ジョン・ディクスン・カー【感想】終わり良ければ全て良し

The Problem on the Wire Case 1939年発表 ギデオン・フェル博士11 三角和代訳 創元推理文庫発行 前作『緑のカプセルの謎』 次作 『震えない男』 “足跡のない殺人”を扱ったギデオン・フェル博士シリーズ第11作。怪奇や密室といったカーお得意の要素が無いの…

『怪盗ニック全仕事1』エドワード・D・ホック【感想】初心者のためのミステリ

1966~72年発表 ニック・ヴェルヴェット1 木村二郎訳 創元推理文庫発行 エドワード・D・ホックという男 エドワード・D・ホック(Edward Dentinger Hoch)は1930年にニューヨークに生まれた。幼少期からエラリー・クイーンの作品に魅せられ、高校を卒業す…

息子が小学生になる不安だ

息子がもうすぐ小学生になる。不安だ。ちゃんと勉強についていけるのか。誰かを傷つけたり、逆に傷つけられたりしないか。先生とはうまくやっていけるか。大なり小なり絶対にトラブルはあるだろうし、壁にぶつかるのは間違いないだろうけど、その未来があと…

『人類狩り(ビーストチャイルド)』ディーン・R・クーンツ【感想】他のモダン・ホラーものに期待

1970年発表 榎林哲訳 創元SF文庫発行 ネタバレなし感想 ディーン・R・クーンツがモダン・ホラーの巨匠と聞いて、最近ホラー作品にも興味が出てきたことから手に取ってみた作品。優れたファンタジー・SF作品に贈られるヒューゴー賞の候補作にもなったというこ…

『四つの凶器』ジョン・ディクスン・カー【感想】どんな作り方でもカレーは美味しい

The Four False Weapons 1937年発表 アンリ・バンコラン5 和爾桃子訳 創元推理文庫発行 前作『蝋人形館の殺人』 パリ予審判事アンリ・バンコランシリーズ最終作がついに新訳で登場しました。1958年発表のポケミス版が全然手に入んないんですよねえ。この8…