The Beatlesのオリジナルアルバムからプレイリストを作るシリーズ第三弾です。
今回は英国盤公式オリジナル・アルバムの6作目~聞いていきましょう。
こっから化け物揃いなんですよ……。
Rubber Soul(1965)
シタールなどの東洋の楽器が多数用いられ、アートワークの写真とタイトルの歪んだ感じがサウンドにも現れている全曲がオリジナル曲で構成された一作です。スタジオ収録だからこそ自由に音作りができているわけで、ライブとかどうだったんだろうと気になる曲だらけです。ジョンはこのアルバムを「大麻アルバム」だと言ったらしいですが、最後Run For Your Life以外はきちんとまとまって聞こえます。
Drive My Car
ブラックミュージックの脈動がしっかり感じられる名曲です。裏打ちのピアノのリズムとパキッとしたギターソロが大好き。Drive My Carの意味するブルースの隠語のとおりどことなくセクシーに聞こえてきます。
Norwegian Wood(This Bird Has Flown)
こちらもジョンの浮気を題材にしたえっちぃな曲です。なんといってもインドの楽器シタールがポップミュージックに初登場した歴史的な一曲でもあります。物憂げなジョンのボーカルと、実際のシタール奏者に師事し腕を磨いたジョージのシタールが絶妙にマッチしています。
You Won’t See Me
ウーラーララを聴くための楽曲。映画「スクール・オブ・ロック」で使われるコーラスはコレが元だと思っておりますよはい(わかる人にわかれ)。
Nowhere Man
こっちはアーーアーラーラーラ。特徴的なイントロとポールとジョージの美しいコーラスが耳に残るポップナンバーです。1分あたりで聞こえる超高音のキーンって音がなんかいい感じを出している気がする。
The Words
ドカンとくる名曲ではないんですが、全パート(楽器)に注目して一回ずつ聞きなおす価値のある面白い楽曲です。聞くたびに「うわっここのベースライン最高だな」「ハーモニウム、サイコゥ!」「ドラムめっちゃグルービー!」と新鮮な気持ちになれること間違いなし。
Girl
気怠そうなジョンの声や「Girl……」の後の特徴的なブレス音、tit(おっぱい)連呼のコーラスなどが詰め込まれた問題作。聞くところによってサーフミュージックのように聞こえたり、ドラムの転調があるなど面白い曲です。
I’m Looking Through You
ジョージのキレッキレのギターを堪能できる楽曲です。パーカッションのぺきぺき音がマッチ箱らしいんですけどなんそれ?
In My Life
個人的にThe Beatlesはポール・マッカートニーだと思っている(!)んだけど、この曲はもうジョン・レノン様!と讃えたくなる名曲。ジョンとポールでっどちらがこの曲を作ったかの論争もあるようですが、票を投じることができるなら間違いなくジョンに投票します。もうジョンが歌っている姿が思い浮かぶ(実際に歌っている)。
Weit
ほとんどヴァースとサビだけで構成された楽曲ですが、サビで音が下がるところとか、妙にドラムが上げてくる感じとか、調和の取れたThe Beatlesらしい曲になっていると思うんですよねえ。隠れた名曲って感じがします。
If I Needed Someone
同時期に活躍したバンドThe Byrds(いつか紹介したい)の楽曲「The Belles Of Rhymney」に影響を受けてジョージが作った曲です。美しいコーラスが特徴的な曲ですが、注目はやっぱ作曲したジョージのギターですかね。妙に気合が入っているように聞こえます。
Revolver(1966)
サイケデリック(ドラッグによる幻覚を再現)・ロックの幕開けを告げる記念碑的アルバムです。テープを逆再生したり、回転数をいじったりとレコーディング時の仕掛けが満載なので、ライブではほとんど演奏されなかった模様。とにかく実験的でありながら前衛的、音楽の底抜けの自由さを体現したような傑作です。
Taxman
ジョージが作った名曲の一つ。ジョージのリードにジョンとポールのコーラスってのが案外心地よく聴こえるんですよねえ。Tax(税金)からわかるように、当時の政権が富裕層に対する95%もの税率を課したことにたいする抗議として書かれた楽曲で、反体制的なパンク・ロックの萌芽がここにあったんですか?
Eleanor Rigby
ポールによるポールらしい楽曲です。聞いたらわかるんですけど、The Beatlesのメンバーは誰も演奏してないんですよ。ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロの八重奏がとにかくクール。歌詞の意味がよくわからなくても、背景に壮大な物語があるように聞こえてくる不思議。
Here,There And Everywhere
これはもう涙なしには聞けない楽曲です。この曲を聴くときには、是非とも同時代に活躍したThe Beach Boysの名盤『Pet Sounds』(1966)を聴いてほしいです。ブライアン・ウィルソンの才能あふれるコーラスワークがこの曲に影響を与えたのは有名な話。天才ミュージシャンたちが切磋琢磨しあい生まれた名曲です。
Yellow Submarine
リンゴがリード・ボーカルをつとめた一曲。裏を流れるテーマが「航海」なだけあって、水(波)の音や汽笛など、特殊な効果音の数々にワクワクさせられっぱなしの楽曲です。
She Said She Said
名優ピーター・フォンダの家でドラッグを服用しぶっ飛んでいた時の会話から生まれた楽曲。ピーターがジョンに対して「死とはどういう感じか俺は知っている」と“繰り返し言っていた(He said)”経験を元に、HeをSeに変え作られました。3つのマイナーコードと途中の変拍子がまさにドラッグソングたるゆえん。音楽そのものに中毒性があります。
Good Day Sunshine
こちらも転調や変拍子が盛り込まれた楽曲ですが、タイトルを連呼するだけのシンプルなサビとカントリー調のピアノが、どこか古き良き時代の雰囲気もあって好みです。
For No One
ポールによってつくられた美しいバラード曲。名ホルン奏者アラン・シヴィルのホルンが良い味を出しています。あとクラヴィコード(鍵盤楽器の一つ)が使われているからか、どこか宗教音楽というかクラシックの雰囲気も出ている名曲です。
I Want To Tell You
(ポールかと思ったら)ジョージが作った名曲の一つ。ピアノとギターがどちらも絶妙な塩梅で主張してくるのと、ポールとジョンの美しいハーモニーが混然一体となってます。
Got To Get You Into My Life
サクソフォンやトランペットを用いた壮大なオープニングが耳に残り、どこかブラック・ミュージックの香りすら感じるアップテンポナンバー。ファンクグループEarth,Wind&Fireのカバーもあるらしくて、あらためて聞き直してみたんですけど、マジで全然別物でした。いや、あれはあれで最高にクールなアレンジなんですけど。
Tomorrow Never Knows
音作り、という一点において、The Beatlesの革新的な音作りの才能が爆発した歴史的な一曲。聞くときの心境やモチベーションで、ドラッグ・ミュージック、仏教系の宗教音楽、民族音楽、サイケデリックと色んな面を楽しめる不思議な曲です。
ということで、今日はここまで、本当はあとアルバム二つくらい詰め込みたかったんですが断念します。
以下が、Rubber SoulとRevolverからのプレイリスト全20曲です。ベストはIn My LifeとFor No Oneかなあ。The Beatlesのバラードは全部好きかも。
Drive My Car
Norwegian Wood(This Bird Has Flown)
You Won’t See Me
Nowhere Man
The Words
Girl
I’m Looking Through You
In My Life
Weit
If I Needed Someone
Taxman
Eleanor Rigby
Here,There And Everywhere
Yellow Submarine
She Said She Said
Good Day Sunshine
For No One
I Want To Tell You
Got To Get You Into My Life
Tomorrow Never Knows