2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2020年読了ミステリベストテン

2020年も一年間当ブログにお越しいただきありがとうございます。今年も昨年度に引き続き、ブログ活動は停滞気味でした。今年転勤したことと、マイホームの打ち合わせや準備に時間を奪われたのが主な理由です。そんなこんなで、今年読めた本は、なんとブログ…

『誘拐殺人事件』S・S・ヴァン=ダイン【感想】ハードボイルドの勢いに押され蹴躓いた一作

The Kidnap Murder Case 1936年 ファイロ・ヴァンス10 井上勇訳 創元推理文庫発行 前作『ガーデン殺人事件』 次作『グレイシー・アレン殺人事件』 ネタバレなし感想 《謎探偵の推理過程》 ネタバレなし感想 さてさてファイロ・ヴァンスシリーズもいよいよ10…

M-1グランプリ2020総評

コロナ禍の中ではありましたが、史上最多の参加者になったM-1グランプリ2020。暗く先の見えない世の中で、少しでも楽しませたい、笑わせたい、そんな芸人たちの熱い気持ちがひしひしと伝わってくる例年以上に良い大会でした。と同時に、いつも以上に荒れた大…

『ウェルズ傑作集1』H.G.ウェルズ【感想】タイム・マシンはマジでオススメ

1895~1905年発表 阿部知二訳 創元推理文庫発行 本書は、「SF小説の父」とも呼ばれるハーバード・ジョージ・ウェルズによる傑作中編・短編をまとめた日本独自(創元推理文庫)編纂の短編集です。本書には『タイム・マシン』を始めとする6の中短編が、『ウ…

『骨董屋探偵の事件簿』サックス・ローマー【感想】フー・マンチュー以外にも面白いのあるはず、もっと翻訳しませんか?

The Dream Detective 1920年発表 骨董屋探偵モリス・クロウ 近藤麻里子訳 創元推理文庫発行 サックス・ローマーという男 各話感想 『ギリシャの間の悲劇』 『アヌビスの陶片』 『十字軍の斧』 『象牙の彫像』 『ブルー・ラージャ』 『囁くポプラ』 『ト短調…

『ハイヒールの死』クリスチアナ・ブランド【感想】説得力は無いが確かに傑作の萌芽が在った

Death in High Heels 1941年発表 チャールズワース警部1 恩地三保子訳 ハヤカワ文庫発行 次作『ジュゼベルの死』(コックリル警部4) クリスチアナ・ブランドという女 ネタバレなし感想 《謎探偵の推理過程》 クリスティやクイーン、カーと並び称される推…