2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ベスト・オブ・バンコラン【感想】ジョン・ディクスン・カー『蝋人形館の殺人』

発表年:1932年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:アンリ・バンコラン4 アンリ・バンコランものは約1年ぶりでした。前作『髑髏城』は、ドイツの古城を舞台に、禍々しい雰囲気がダイレクトに伝わってくる作品で、仏独の二大探偵同士の推理合戦にも…

ブログ僕の猫舎についての自己省察2018Edition〜みんなブログ書けばいいのに〜

年に数回、ブログというもの、特にミステリの書評ブログとしての【僕の猫舎】について、自己省察したくなる時期がやってきます。 そういやあ、昨日の深夜ヘッダー画像を変えました。 ここ一か月くらいは、今まで自分が自信を持ってやってきた内容にもかかわ…

新潮文庫オリジナルがオリジナルすぎる【感想】アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの叡智』

発表年:1892~1927年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:シャーロック・ホームズ シャーロック・ホームズは実に約1年ぶりでした。ただ本作は、実際にアーサー・コナン・ドイルが発表した短編集ではなく、新潮文庫の発刊の都合上カットされた作品を…

会心の一撃が当たるかどうかが問題【感想】F.W.クロフツ『マギル卿最後の旅』

発表年:1930年 作者:F.W.クロフツ シリーズ:フレンチ警部6 訳者:橋本福夫 裏面の解説には、 著者の作品の中でも一、二を争う名作 と評されていましたがどんなもんでしょう。 タイトルに「旅」が入ってるため、これはまたフレンチ警部が「捜査」と称して…

後世に影響を与えた(であろう)歴史的な一作【感想】ガストン・ルルー『黄色い部屋の謎』

発表年:1908年 作者:ガストン・ルルー シリーズ:ジョゼフ・ルールタビーユ1 訳者:宮崎嶺雄 昨年末にホームズ時代に属する歴史的なミステリをいくつか入手できたので、今年の前半はそれらを消化しながら、クロフツ祭りができれば、と思っています。 今日…

『ブラックパンサー』【映画ネタバレあり感想】全体的に無理、あるよね?ね?

引用:2018 Marvel お新年一発目のマーベル作品は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で華々しいデビューを飾ったブラックパンサーです。前半はなるべくネタバレなし、徐々にネタバレしていきます。まずは予告編をどうぞ。 「ブラックパンサー」予告…

真のクラシック・ミステリ【感想】オースチン・フリーマン『オシリスの眼』

発表年:1911年 作者:オースチン・フリーマン シリーズ:ソーンダイク博士2 訳者:渕上瘦平 1.粗あらすじ 2.クラシック・ミステリ復興の兆し? 3.本作を構成する要素 ミステリアスなエジプト史というエッセンス 猟奇的でグロテスクな雰囲気 語り手のロマン…