SF

『さよならダイノサウルス』ロバート・J・ソウヤー【感想】恐竜だぞ面白くないわけがない

END OF AN ERA 1994年発表 内田昌之訳 ハヤカワ文庫 ロバート・J・ソウヤーはカナダのSF作家。SFに関する賞を数多く受賞しながらも、雑誌編集者やSF作品の脚本家・専門家として第一線で活躍している。彼の作品はごりごりのSFでありながら、日本のミステリフ…

『宇宙戦争』H.G.ウェルズ【感想】歴史的名作に異論なし

The War of the Worlds 1898年発表 H.G.ウェルズ著 中村融訳 創元SF文庫発行 SF小説の歴史を作った作家H.G.ウェルズの代表作を読みました。 新潮文庫の『ウェルズ傑作集1』収録の前日譚『水晶の卵』で予習も十分。 正直こういう「歴史的名作」と謳われてい…

『ウェルズ傑作集1』H.G.ウェルズ【感想】タイム・マシンはマジでオススメ

1895~1905年発表 阿部知二訳 創元推理文庫発行 本書は、「SF小説の父」とも呼ばれるハーバード・ジョージ・ウェルズによる傑作中編・短編をまとめた日本独自(創元推理文庫)編纂の短編集です。本書には『タイム・マシン』を始めとする6の中短編が、『ウ…

『人類狩り(ビーストチャイルド)』ディーン・R・クーンツ【感想】他のモダン・ホラーものに期待

1970年発表 榎林哲訳 創元SF文庫発行 ネタバレなし感想 ディーン・R・クーンツがモダン・ホラーの巨匠と聞いて、最近ホラー作品にも興味が出てきたことから手に取ってみた作品。優れたファンタジー・SF作品に贈られるヒューゴー賞の候補作にもなったというこ…

『毒ガス帯/地球の悲鳴/分解機』アーサー・コナン・ドイル【感想】表題作だけじゃない粒揃いの中短編集

1913~1929年発表 チャレンジャー教授2 龍口直太郎訳 創元SF文庫発行 前作『失われた世界』 次作『霧の国』 一言で「面白い!」と言える名作短編集だった。約100年も前に書かれたとは思えない謎めいたSF小説として、またチャレンジャー教授のハードボイルド…

『きまぐれロボット』星新一【感想】子どもにも読ませたい

1966年発表 角川文庫発行 収録作 部門別ベスト3 ロマン部門 SF部門 ホラー部門 ユーモア部門 フラッと立ち寄った古本屋で見つけた一作。そういえば子どものころ理論社発行の絵本版『きまぐれロボット』にどっぷりハマっていたっけ。だからか今でもタイトル…

『星を継ぐもの』J・P・ホーガン【感想】ガチガチだけど初心者にも優しい傑作SF

1977年発表 池央耿訳 創元SF文庫発行 ガチガチのSFですよ。 正直、SFものの映像作品ならスター・ウォーズを始め(真のSF好きには罵倒されそうですが)好きなんですが、本となるとちょっと抵抗がありました。もともと星新一の子ども向けショートショートが大…

失われた世界【感想】アーサー・コナン・ドイル

発表年:1912年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:チャレンジャー教授1 本作は1912年にあのアーサー・コナン・ドイルによって書かれた初の「SF小説」です。 本シリーズは、古生物学者チャレンジャー教授を主人公に据えて、全5作が発表されている…

ゴールデン・フリース【感想】ロバート・J・ソウヤー

発表年:1990年 作者:ロバート・J・ソウヤー シリーズ:ノンシリーズ 倒叙ミステリというと『古畑任三郎』や『刑事コロンボ』のように、まず犯人の視点で犯罪が行われ、その後も犯人視点で物語が進む形が一般的です。 本作もその多分に漏れず、ごく一般的な…