アーサー・コナン・ドイル

『ドイル傑作集Ⅱ海洋奇談編』アーサー・コナン・ドイル【感想】傑作集ねえ……

久々のアーサー・コナン・ドイルです。 ドイルが晩年に編んだ集大成的短編集The Conan Doyle Stotiesの中から、Tales of Blue Waterという括りでまとめられた海や水にまつわる短編たちが収められています。 結論から言えば、ミステリとして秀逸な作品はない…

『毒ガス帯/地球の悲鳴/分解機』アーサー・コナン・ドイル【感想】表題作だけじゃない粒揃いの中短編集

1913~1929年発表 チャレンジャー教授2 龍口直太郎訳 創元SF文庫発行 前作『失われた世界』 次作『霧の国』 一言で「面白い!」と言える名作短編集だった。約100年も前に書かれたとは思えない謎めいたSF小説として、またチャレンジャー教授のハードボイルド…

『ドイル傑作集Ⅰ/ミステリー編』アーサー・コナン・ドイル【感想】ドイル流面白さの凝縮版

1888年~1921年 ノンシリーズ短編集(日本独自) 延原謙訳 新潮文庫発行 本書解説で訳者の延原謙氏が述べておられるとおり、世間一般ではアーサー・コナン・ドイルといえばシャーロック・ホームズ、という印象が強いと思われるし、シャーロック・ホームズを…

『勇将ジェラールの回想』アーサー・コナン・ドイル【感想】歴史小説愛が爆発

1896年発表 勇将ジェラール1 上野景福訳 創元推理文庫発行 アーサー・コナン・ドイルといえば、シャーロック・ホームズものを始めとする短編ミステリが有名ですが、ドイルが本来書きたかったのは歴史ミステリでした。ホームズが有名になり過ぎた結果書きたい…

シャーロック・ホームズ短編ベスト10【海外ミステリ読了200冊記念】

特定の作家、特定の作品のベスト10系の記事を書くのが初めてなので、だいぶと気合が入っております。 今年の3月にめでたくシャーロック・ホームズ全作を読破し、その時短編ベスト10を決めてみようとは思っていました。 折よく、2015年からハマった海外ミス…

新潮文庫オリジナルがオリジナルすぎる【感想】アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの叡智』

発表年:1892~1927年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:シャーロック・ホームズ シャーロック・ホームズは実に約1年ぶりでした。ただ本作は、実際にアーサー・コナン・ドイルが発表した短編集ではなく、新潮文庫の発刊の都合上カットされた作品を…

シャーロキアンになる気持ちがよくわかる【感想】アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの事件簿』

発表年:1927年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:シャーロック・ホームズ5 いつも通り、新潮文庫の延原版を読んだため、『隠居絵具師』と『ショスコム荘』はページ数の都合上割愛されています。いつか『~叡智』を読んだ後に感想を書こうと思いま…

シャーロック・ホームズ最後の挨拶【感想】アーサー・コナン・ドイル

発表年:1893〜1917年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:シャーロック・ホームズ4 中身は、1893年から1917年の20年以上もの間に書かれた短編たちが集まっているおかげで、今まで以上にバリエーションに富んだ短編集となっています。ちなみに、本ブ…

恐怖の谷【感想】アーサー・コナン・ドイル

発表年:1914年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:シャーロック・ホームズ 本作は、『緋色の研究』や『四つの署名』と同様に2部構成となっていますが、本作ほど2部構成の醍醐味を味わえる作品は少ないでしょう。 1部では事件の発端から解決まで…

失われた世界【感想】アーサー・コナン・ドイル

発表年:1912年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:チャレンジャー教授1 本作は1912年にあのアーサー・コナン・ドイルによって書かれた初の「SF小説」です。 本シリーズは、古生物学者チャレンジャー教授を主人公に据えて、全5作が発表されている…

華麗な帰還で彼の偉大さ痛感【感想】『シャーロック・ホームズの帰還』アーサー・コナン・ドイル

発表年:1905年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:シャーロック・ホームズ6 1893年の『シャーロック・ホームズの思い出』で惜しむらくもこの世を去ったシャーロック・ホームズですが、10年の歳月を経て奇跡の生還を果たします。 本書は1903年から19…

厨二心くすぐる魔犬伝説の裏にホームズあり【感想】『バスカヴィル家の犬』アーサー・コナン・ドイル

発表年:1901年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:シャーロック・ホームズ5 まず、雰囲気がたまりませんねー。ダートムアの陰鬱な池沼地帯を舞台に、魔犬伝説に準えた不気味な事件の幕が上がる、というなんとも厨二心くすぐる題材にワクワクします…

シャーロック・ホームズの思い出【感想】アーサー・コナン・ドイル

発表年:1892〜1893年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:シャーロック・ホームズ 延原版の本書では、初版本で収められていた『ボール箱』は「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」に、『ライゲートの大地主』は「シャーロック・ホームズの叡智」に収…

伝説はここから始まった【感想】『シャーロック・ホームズの冒険』アーサー・コナン・ドイル

発表年:1892年作者:アーサー・コナン・ドイルシリーズ:シャーロック・ホームズ3 本作は、1891年から1892年にかけてイギリスの月刊誌『ストランド・マガジン』に連載されていたシャーロック・ホームズものの短編を集めた短編集です。 この作品を持ってコナ…

特に後半ドイルの筆がすらすらとのっているのはわかる【感想】アーサー・コナン・ドイル『四つの署名』

1890年発表 シャーロック・ホームズ2 延原謙訳 新潮文庫発行 前作『緋色の研究』において、イーノック・J・ドレッバー殺人事件の解決に成功したホームズですが、その後は本人曰く「だらだらした日常」を送っており、刺激的な謎を持つ事件の発生を切望してい…

緋色の研究【感想】アーサー・コナン・ドイル

発表年:1886年 作者:アーサー・コナン・ドイル シリーズ:シャーロック・ホームズ 緋色ってなんかカッコイイですよね? 青よりも藍色がいいし、緑より翠色、赤よりも緋色ですよね? そんな厨二心くすぐる作品こそ、1886年に執筆されたサー・アーサー・コナ…