僕の猫舎

主に海外ミステリの感想を綴るブログです

ジョン・ディクスン・カー

ベスト・オブ・バンコラン【感想】ジョン・ディクスン・カー『蝋人形館の殺人』

発表年:1932年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:アンリ・バンコラン4 アンリ・バンコランものは約1年ぶりでした。前作『髑髏城』は、ドイツの古城を舞台に、禍々しい雰囲気がダイレクトに伝わってくる作品で、仏独の二大探偵同士の推理合戦にも…

ハウダニットの極致【感想】ジョン・ディクスン・カー『ユダの窓』

発表年:1938年 作者:カーター・ディクスン(J.D.カー) シリーズ:ヘンリ・メリヴェール卿7 訳者:高沢治 今年最後の海外ミステリ感想記事になりそうです。でも最後に、本作を紹介できるのは嬉しかったりして… というのも海外ミステリ界に燦然と輝く傑作長…

アタリハズレというかテンションの違い【感想】カーター・ディクスン『孔雀の羽根』

発表年:1937年 作者:カーター・ディクスン(ジョン・ディクスン・カー) シリーズ:ヘンリ・メリヴェール卿 訳者:厚木 淳 ウッキョおおおおおお~ヒョーーーーイイイイィィィィ仕事行きたくなあああああああああああああい!!!!!! はっ…今わたしは何…

断然ひとつ前の作品からオススメします【感想】カーター・ディクスン『パンチとジュディ』

発表年:1936年 作者:カーター・ディクスン(J.D.カー) シリーズ:ヘンリ・メリヴェール卿5 訳者:白須清美 「カーって面白いの?」この本を手に取って、そう思ったあなた。そんなあなたにこそ、この小説を読んでもらいたい! 私が今回手に取ったハヤカワ…

おいおいルパンかよ→誠に申し訳ございませんでした【感想】カーター・ディクスン『一角獣の殺人』

一角獣の殺人 (創元推理文庫) posted with ヨメレバ カーター・ディクスン 東京創元社 2009-12-20 Amazon Kindle 発表年:1935年 作者:カーター・ディクスン(J.D.カー) シリーズ:ヘンリー・メリヴェール卿4 訳者:田中潤司 今年度の下半期は、カー作品を…

ギロチンの刃の切れ味に劣らないH・M卿の名推理【感想】カーター・ディクスン『赤後家の殺人』

赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1) posted with ヨメレバ カーター・ディクスン 東京創元社 1960-01-15 Amazon Kindle 発表年:1935年 作者:カーター・ディクスン(J.D.カー) シリーズ:ヘンリー・メリヴェール卿3 粗あらすじ 「部屋が人間を殺せるものか…

密室の使い方が冴えている【感想】カーター・ディクスン『弓弦城殺人事件』

発表年:1933年 作者:カーター・ディクスン(J.D.カー) シリーズ:ノンシリーズ 粗あらすじ 甲冑を着た幽霊が現われるという弓弦城には、熱狂的な古武具の収集家レイル卿とその一家が住んでいる。弓弦城では幽霊騒ぎ以外にも、外聞はばかるスキャンダルや…

バランスのとれた絶妙な中編ミステリ【感想】ジョン・ディクスン・カー『第三の銃弾』

発表年:1937年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ノンシリーズ まずは 粗あらすじ 退官した老判事が自室で射殺された。撃たれて間もない銃を握りしめて呆けていたのは、かつて判事に極刑を命じられた男だったが、判事の命を奪った銃弾は男が持って…

トリックの大渋滞につき注意【感想】ジョン・ディクスン・カー『三つの棺』

発表年:1935年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士6 粗あらすじ 超自然的な現象を解き明かすことにかけては著名なグリモー教授のもとに、突如一人の奇術師が現われた。彼が残した「三つの棺」という不吉な言葉と脅迫めいた文句…

見取図はいらないけど間取図だけは欲しい【感想】『死時計』ジョン・ディクスン・カー

発表年:1935年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士5 あらすじを書くのも億劫になるくらい、展開がややこしい…時計職人の家で不審者が不思議な兇器で死ぬ。これくらいしか確かなことが言えません。 カーのやりたかったこと、つ…

珍味ミステリ現る【感想】ジョン・ディクスン・カー『髑髏城』

発表年:1931年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:アンリ・バンコラン3 先に粗あらすじ 《謎探偵の推理過程》 本当に勝手ですが、自分の中で本作は、病みつき系珍味ミステリに分類されました。 というのも、初めの数章は、髑髏を模した城【髑髏城】…

笑いをミスディレクションに活かした稀有なミステリ【感想】『盲目の理髪師』ジョン・ディクスン・カー

発表年:1934年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士4 巨匠カーの作品中、もっともファルスの味が濃いとされる これは本書の裏表紙や中表紙に書かれた紹介文の抜粋です。 実は私自身今一つファルスという意味を掴みきれていない…

火刑法廷【感想】ジョン・ディクスン・カー

発表年:1937年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ノンシリーズ このブログを初めて間もない頃、アガサ・クリスティの『アクロイド殺し』の感想を書いた記事の冒頭で、最も高名な推理小説はなにか?という問題に触れ、クロフツの『樽』やクイーンの…

剣の八【感想】ジョン・ディクスン・カー

発表年:1934年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士3 まずは 粗あらすじ ポルターガイストが出ると噂されるスタンディッシュ大佐の屋敷で犯罪研究家の主教がご乱行。その主教の予告通り、隣家でとてつもない謎を孕んだ事件が発…

白い僧院の殺人【感想】ジョン・ディクスン・カー

発表年:1934年 作者:カーター・ディクスン(ジョン・ディクスン・カー) シリーズ:ヘンリ・メリヴェール卿2 本作最大の特徴と言えばもちろん、“足跡のない殺人”でしょうか。 ≪白い僧院≫と呼ばれる歴史ある建物の別邸で発見された死体を巡る不可能犯罪は、…

恐怖が時代を超えてやってくる【感想】カーター・ディクスン『黒死荘の殺人』

発表年:1934年 作者:カーター・ディクスン(J.D.カー) シリーズ:ヘンリ・メリヴェール卿1(通称H・M) 探偵役のH・M卿は、陸軍省情報部長を務め、風来や口調などからは、どこか破茶滅茶で型破りな人物に思えます。 また、デビュー作でありながら登場するタ…

ロンドン塔の出汁は取れず【感想】ジョン・ディクスン・カー『帽子収集狂事件』

発表年:1933年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士2作 まずは 粗あらすじ ≪いかれ帽子屋(マッド・ハッター)≫と呼ばれる異常な連続帽子盗難犯がロンドンに現れた。その魔手はエドガー・アラン・ポーの未発表原稿を所持する蒐…

模型が出てくるからか怪奇自体がすこーし不自然【感想】ジョン・ディクスン・カー『絞首台の謎』

発表年:1931年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:アンリ・バンコラン2 今回はあらすじを省略します。 差出人不明の絞首台の模型とそれに怯える謎のエジプト人、という発端ですが、それだけでは不気味な雰囲気を満たすには不十分です。その後に起きる…

魔女の隠れ家【感想】ジョン・ディクスン・カー

発表年:1933年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士1 フェル博士のキャラクターについて、よく耳にするのは、とにかく酒豪で、巨体。それでいて肩書きはどれも知性溢れるものばかり。 風貌のモデルがG・K・チェスタトンだったら…

夜歩く【感想】ジョン・ディクスン・カー

学生時分は夜更かしなんてあたりまえで、夜行性の人間だったと思うのですが、年を取ると、さらに言えば子どもが生まれたりなんかすると、めっきり夜更かしは少なくなって、9時くらいになると眠たくなってくるし、朝7時になると自然に目が覚めます。 中高生の…