2016-01-01から1年間の記事一覧

『シン・ゴジラ』【感想】2016年鑑賞映画まとめ

ただの怪獣好きの一人として。 シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 2017/03/22 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (4件) を見る

2016年下半期読了ミステリベストテン

なんとか1年間通して読書し続けることができました。というか今年はやりたいことが多すぎた1年だったように思います。 ゲームだとポケモンやFF、Gジェネといったシリーズものの最新作がどんどん発売されたので、勢いで買ったはいいが未だクリアしきれていな…

火刑法廷【感想】ジョン・ディクスン・カー

発表年:1937年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ノンシリーズ このブログを初めて間もない頃、アガサ・クリスティの『アクロイド殺し』の感想を書いた記事の冒頭で、最も高名な推理小説はなにか?という問題に触れ、クロフツの『樽』やクイーンの…

海外ミステリ100冊読破記念に海外ミステリのすすめを書いてみる

ようやく海外ミステリの読破数が100冊を超えました。 積んでる本の総数から言えばやっと4分の1に到達したくらいです。

『君の名は。』【感想】2016年鑑賞映画まとめ

ネタバレなし。あらすじ紹介ほとんどなし。感想ちょっとしかなし。 小説 君の名は。 (角川文庫) 作者: 新海誠 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー 発売日: 2016/06/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (31件) を見る そっか、まだDVDとか…

学寮祭の夜【感想】ドロシー・L・セイヤーズ

発表年:1935年 作者:ドロシー・L・セイヤーズ シリーズ:ピーター・ウィムジィ卿10 ついにシリーズも佳境に入り、第10作目になりました。ここ何作か続いて膨大なページ数に圧倒されてきましたが、本作はそれらをさらに超える700P… セイヤーズ女史は、シリ…

『デッドプール』【感想】2016年映画鑑賞まとめ

絶対に子どもに見せちゃいけないヒーローもの。 デッドプール (字幕版) 発売日: 2016/09/07 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る

『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』【感想?】2016年鑑賞映画

痺れた。 シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (字幕版) 発売日: 2016/09/07 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る マーベルってなによ? マーベル・シネマティック・ユニバース始動 MCU作品群の見方 オススメ鑑賞順 やっぱり多いわ、もっと…

人とは失敗から学ばない生き物である

ブログの開設から1年以上経ち、自分なりに良いペースで小説や映画の感想を書けていると感じています。 とはいえ、テキストの出来はまだまだ未熟で、でもどうすれば改善されるかはわからず、という状況が続く毎日です。 思い返せば学生時代から、書くこと自体…

巧みな舞台設定と小道具の数々が光る中期の名作【感想】アガサ・クリスティ『ひらいたトランプ』

17/4/26 改稿 発表年:1936年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:エルキュール・ポワロ13 簡単に作品の特徴を書き出してみます。 まず魅力的なシチュエーションで起こる大胆な殺人事件を発端に、ポワロを含む豪華な探偵たちが競演して推理します。そして、…

『スターウォーズ/フォースの覚醒』【感想】2016年鑑賞映画まとめ

なかなか小説の感想書きが捗らないのと、そもそも読むのが遅くて感想が書けていないので、今年度映画館で見た映画の総まとめみたいなのを少しずつしようと思います。 スターウォーズとの出会い 新三部作を見て いざフォースの覚醒へ! SW用語解説 超あらすじ…

剣の八【感想】ジョン・ディクスン・カー

発表年:1934年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士3 まずは 粗あらすじ ポルターガイストが出ると噂されるスタンディッシュ大佐の屋敷で犯罪研究家の主教がご乱行。その主教の予告通り、隣家でとてつもない謎を孕んだ事件が発…

ブリッジについて【雑記】トランプゲーム

推理小説にかかせないトランプゲームの一つといえばブリッジ。 運に頼るのではなく、推理し分析し戦略的にプレイできるトランプゲームブリッジ。 でもどんなゲームかはよく知らない。 そんなあなたにお届けします。 ブリッジ超簡略解説雑記 ※ただし正式?な…

性格や人格から推理する人にはオススメ【感想】アガサ・クリスティ『メソポタミヤの殺人』

発表年:1936年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:エルキュール・ポワロ12 まずは粗あらすじ 看護婦のエイミー・レザランは知人の紹介と推薦により、考古学者の妻ルイーズ・ライドナーを看護することとなった。ライドナー夫妻がいるバグダット近郊の遺跡で待…

他言は無用【感想】リチャード・ハル

発表年:1935年 作者:リチャード・ハル シリーズ:ノンシリーズ リチャード・ハルといえば『伯母殺人事件』と言う小説が有名なようです。残念ながら私は未読なのですが、推理小説の“ある括り”の中でも三大小説と呼ばれるほど高名な作品らしいですね。 一方…

迷走パズル【感想】パトリック・クェンティン

発表年:1936年 作者:パトリック・クェンティン シリーズ:ピーター・ダルース1 まずは初挑戦と言うことで作者の紹介からいきましょう。 実はパトリック・クェンティンというのはペンネームで、しかもエラリー・クイーンと同じように複数人が携わっていたよ…

『白い僧院の殺人』カーター・ディクスン【感想】足跡のない殺人の代表格

1934年発表 ヘンリ・メリヴェール卿2 創元推理文庫発行 前作『黒死荘の殺人』 次作『赤後家の殺人』 本作最大の特徴と言えばもちろん、“足跡のない殺人”でしょうか。 ≪白い僧院≫と呼ばれる歴史ある建物の別邸で発見された死体を巡る不可能犯罪は、単純な“雪…

製材所の秘密【感想】F.W.クロフツ

発表年:1922年 作者:F.W.クロフツ シリーズ:ノンシリーズ 本作は、推理小説と呼ぶには少々物足りません。 怪しげな製材所で行われている企業犯罪に焦点を当てた社会派ミステリのような形を成してはいるものの、それに付随して起こる殺人事件はなんともお…

荘厳で重厚な傑作長編【感想】『ナイン・テイラーズ』ドロシー・L・セイヤーズ

発表年:1934年 作者:ドロシー・L・セイヤーズ シリーズ:ピーター・ウィムジィ卿9 本作は、日本の推理小説における第一人者である江戸川乱歩が、黄金時代の推理小説ベスト10の第10位に挙げた程の作品、といえばどれほど有名な作品かわかります。 私自身、…

恐怖が時代を超えてやってくる【感想】カーター・ディクスン『黒死荘の殺人』

1934年発表 ヘンリ・メリヴェール卿1(通称H・M) 創元推理文庫発行 次作『白い僧院の殺人』 探偵役のH・M卿は、陸軍省情報部長を務め、風来や口調などからは、どこか破茶滅茶で型破りな人物に思えます。 また、デビュー作でありながら登場するタイミングは…

おしゃべり雀の殺人【感想】ダーウィン・L・ティーレット

発表年:1934年 作者:ダーウィン・L・ティーレット シリーズ:ノンシリーズ 本作、かなり異色のミステリだという噂は聴いていたのですが、そもそもティーレットという作家自体、国書刊行会の世界探偵小説全集の発行が無ければ知ることもなかったでしょう。…

殺人は広告する【感想】ドロシー・L・セイヤーズ

発表年:1933年 作者:ドロシー・L・セイヤーズ シリーズ:ピーター・ウィムジィ卿8 本作を簡単に要約するなら、セイヤーズの広告業界勤務で得た薀蓄や実体験がこれでもかと詰め込まれたミステリ、といったところでしょうか。 あらすじは今回は省略します。…

ロンドン塔の出汁は取れず【感想】ジョン・ディクスン・カー『帽子収集狂事件』

発表年:1933年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士2作 まずは 粗あらすじ ≪いかれ帽子屋(マッド・ハッター)≫と呼ばれる異常な連続帽子盗難犯がロンドンに現れた。その魔手はエドガー・アラン・ポーの未発表原稿を所持する蒐…

科学者探偵の祖ここに爆誕【感想】オースチン・フリーマン『ソーンダイク博士の事件簿I』

発表年:1908〜1915年 作者:オースチン・フリーマン シリーズ:ジョン・イヴリン・ソーンダイク博士1 推理小説の勃興に際し、最重要人物とされている3人の名探偵がいます。 一人は言わずと知れたシャーロック・ホームズ。そして蝙蝠傘を持ったブラウン神父。…

模型が出てくるからか怪奇自体がすこーし不自然【感想】ジョン・ディクスン・カー『絞首台の謎』

発表年:1931年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:アンリ・バンコラン2 今回はあらすじを省略します。 差出人不明の絞首台の模型とそれに怯える謎のエジプト人、という発端ですが、それだけでは不気味な雰囲気を満たすには不十分です。その後に起きる…

死体をどうぞ【感想】ドロシー・L・セイヤーズ

発表年:1932年 作者:ドロシー・L・セイヤーズ シリーズ:ピーター・ウィムジィ卿7 本作はシリーズ一長大な雄編ではあるのですが、600Pを超える長編となった理由は、果たして、謎と解決がそれほどボリューミーだったためか、それともセイヤーズの冴え渡る筆…

魔女の隠れ家【感想】ジョン・ディクスン・カー

発表年:1933年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士1 フェル博士のキャラクターについて、よく耳にするのは、とにかく酒豪で、巨体。それでいて肩書きはどれも知性溢れるものばかり。 風貌のモデルがG・K・チェスタトンだったら…

トリッキーな死因が脳裏にこびりつく【感想】ジェームズ・ヒルトン『学校の殺人』

発表年:1931年 作者:ジェームズ・ヒルトン シリーズ:ノンシリーズ 本作はイギリスの小説家ジェームズ・ヒルトンが書いた推理小説なのですが、このヒルトンという作家、推理小説界ではあまり有名ではありません。それもそのはず、彼の本分は『チップス先生…

フレンチ警部最大の事件【感想】F.W.クロフツ

発表年:1925年 作者:F.W.クロフツ シリーズ:フレンチ警部1 本作のストーリーは、単純で事件自体も一見ありきたりな強盗事件に見えます。しかし、小さな矛盾点から事件の経緯に疑問を持ったフレンチ警部が捜査に乗り出すと、小さな矛盾はさらなる謎を呼び…

ミステリの意匠にクイーンの職人技がキラリ【感想】『ギリシャ棺の謎』エラリー・クイーン

発表年:1932年 作者:エラリー・クイーン シリーズ:エラリー・クイーン4 本の重厚さからも、これはかなりボリューミーな一冊なんだろうなとは予想ができましたが、案外すらすら読めてしまいました。だぶん最大の要因は、ストーリーの緩急の付け方がかなり…