先月子どもが生まれましてね。

約1か月、育児休業というものを取得していました。

おい、ブログなんて書く暇あんのか、ちゃんと育児せぇというお叱りの言葉、ご尤もです。

 

ちゃんと育児できていたかは妻の評価を聞いていないためよくわかんないのですが、育児がどうこうじゃなくて、シンプルに究極的かつ絶対的に楽しかったです。

たったひと月という短い間にもぶりぶりと細胞分裂を繰り返し肥大していく(言い方)我が子の成長という名の奇跡を間近で観察できたことは、最高に楽しく、幸せで、充実していました。

 

ちょっとカッコつけた言い方をすると「イクメン」って言葉が嫌いです。

言語化が難しいのですが、「イクメン」って看板を背負っているつもりもないのに、勝手に他者から「イクメン」としての評価を得ている自分が気持ち悪いというか、偏見ですけど、自分のパートナーが育児に非協力的な愚痴を言いたいがために、勝手な「イクメン」を作り上げて被せられているというか。まあ、イクメン加点による恩恵を受けている事実は否定できないので、素直に感謝申し上げておく方が無難でしょうか。

育児休業を僅か1か月ですが取得してみた所感といいますか、心境の変化みたいなものもあったので記録しておこうと思います。

 

育児休業を取得してみて

まずはベタな意見ですが、ワンオペ育児の大変さは身に染みて体験しました。これを一人でこなしている世のお母さん方はすごい。新生児の赤ちゃんは1日平均15~20時間ほどを寝て過ごします。計算すると2~3時間寝て、1時間程度ミルクを飲むため起きる、というサイクルを繰り返すことになります。ただし、マシーンのように規則正しくそのサイクルを繰り返すのでも、睡眠時間2~3時間が自由時間になるということではなく、抱っこや添い寝で安心感を与えないと睡眠時間の保持ができなかったり、オムツ替えやハプニング(漏れ)などで中断されることがままあります。この赤ちゃん中心の生活の中で、掃除・洗濯・炊事を並行して行わなければならないわけです。間違いなく言えるのは、これを一人で完璧にこなすのは「絶対に無理」ということ。

我が家では、普段から炊事が全て自分の担当になっているうえに、料理=趣味みたいなところもあるので、朝からホームベーカリーでパンを作って、デカフェを用意して、ご飯も炊いて、昼ごはんの仕込みをしてみたいなルーティーンはまあいつものこと。自分とパートナーのご飯くらいは誰だって作れないと生きていけないと思うので、まだ自分のご飯すら作れない凡夫どもは今のうちに修行するがよろしい。

 

はじめてのおりょうり(お父さんむけ)に役立ったもの

1 山本ゆり

普段からめちゃくちゃお世話になってます。料理コラムニストである山本ゆりさんのオフィシャルブログ。基本的に「山本ゆり 食材名」で検索すればなんでもでてきます。彼女のすごさは、まず特別な食材(調味料等)を使用しないこと。どの家庭にも常備しているであろう一般的な材料ですぐに調理できることです。あとはレンジ調理や冷凍食材のまま調理できるレシピも多いので、テクニック面の障害もクリアしてくれています。ただ、一方で一般的な材料を多用するので、例えば醤油とかみりんとか料理の「さしすせそ(おい、みりん)」がものすごい勢いで減っていきます。さしすせそは自分で調べてください。

山本ゆりオフィシャルブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」Powered by Ameba

 

2 イオンの冷凍食材

冷凍食品とか食材を使うのに抵抗がある軟弱な諸君。ロシアの人体冷凍保存施設で百万年冷凍されましょう。

別にイオンじゃなくてもいいんですが、ここ数年で冷凍食材の需要はぐんと高まっています。経産省によると、コロナ禍で外食が減ったことにより、手軽で便利でおいしい冷凍食品が再注目され、さらにメディア等で冷凍食品を取り上げる機会も増えたことから、冷凍食品の消費が増えたようです。イオンの冷凍食材は、大袋の商品も多いので、買いだめしやすいのが大きなポイント。特にブロッコリー、ほうれん草、いんげん、コーン、アスパラガスは重宝しています。レンジで解凍してサラダにぶっこめばそれだけで栄養を摂れている感じがします。あとはさといも、揚げナス、ささがきごぼう、ねぎ、あたりはローテーションを組んでみそ汁にぶっこめばシーズンを安定して戦ってくれます。苦言を呈するとすれば、冷凍のお肉の脂身が多すぎること。ミンチとか料理したら1/3くらい脂になって消えていきますからね。お肉はちゃんと目で見て判断しましょう。

お手軽・便利・絶品で需要が拡大;冷凍食品の動向|その他の研究・分析レポート|経済産業省

経産省の経済解析室の記事は今の日本経済がどう動いているか面白い視点で書かれているのでオススメです。

 

育児休業は誰かに迷惑をかけるもの

「迷惑」という言葉がネガティブですが、1か月とはいえ職場に穴をあけたわけですから、事実として誰かに自分の仕事をやってもらっていたわけで。育児休業を取得する前は、この感覚があまりありませんでした。周りに育児休業取得者(女性)がいても、子どもを産むんだから“当たり前”“仕方ないこと”として、ある意味では無関心ゆえにそう思っていたのかもしれません。しかし、いざ自分が育児休業を取得するとなると、数か月前から自分の仕事の段取りを考え、引継ぎ資料を整理し、育児休業中の仕事も想定した動きをとるなかで、「申し訳ない」という思いが沸いてきてそれを消すことができませんでした。育児なのに申し訳ないってのがそもそもおかしいんでしょうけど、各職場の仕組みによっては(戦力値)1が抜けて0になることもありますし、代替の人材が入ったとしても経験値の差により0.8だったり0.5だったりするとそれは職場全体のレベルダウンになるわけで、事実だけを見るとやっぱり誰かに迷惑をかけている事実を無視できません。(もしあなたが抜けても戦力ダウンにならない人材ならもっと頑張りましょう)

「お互い様」という言葉もよく聞きました。みんないつか育児休業等をとるかもしれないから、お互い様だよ、みたいな考え方もよくわかります。でもですね、どの職場でも一定数「絶対育児休業を取得しない」層、または「育児休業を取得したくてもできなかった」層がいますよね。その層に対して、お互い様は効果を発揮しないんですよ。むしろ、反感を買ってしまうこともしばしばあります。

これらを一手に解決して、お互い様の精神に頼らなくとも育児休業が迷惑をかけるものではなく、取得したいと思うもの誰もが自由に取得できる環境にするための方法は、10月に行われた小手先の法改正などではなく、たった一つです。賃金の上昇です。

育児休業を取得しない人は、取得した人の仕事をサポートする対価としてさらに報酬を受け取り、取得した人は育児休業中の給付金(給与水準の50~67%)でも十分生活できる賃金を保証されている、そんな環境を整えるためには全国規模の賃金の上昇しかありません。政治的な意図はまったくありませんし、特定の政党支持もありませんが、子育て・教育支援とか福祉・社会保障とか耳障りのいいフレーズはもうたくさんです。とにかく富の再分配を踏まえた賃金の上昇を掲げる政治家に頑張って実現してもらうしかない。アルセーヌ・ルパンのような義賊が政治家に扮して、ぶくぶくと肥え太った私利私欲だけの資産家から金をぶんどってばらまいてくれないかなあ、なんて物騒だけどもそんな夢を見たりしました。育児休業中に。

富の再分配を行えば経済成長が止まるって考え方もありますが、そこはお金持ちへの僻みなので気にしないでください。

 

育児休業について書きたかったのに、いつのまにかお賃金の上昇について語ってました。うちの家計もこれから数年は一馬力で頑張らないといけないので他人事じゃないんですよね。賃金の保証があれば、1か月じゃなく1年でも3年でも仕事を休んで子どもの成長を見守りたいなあと心から思ったときに生じたどろどろとした副産物を吐き出してしまいましたすいません。

さっきは小手先の法改正と言いましたが、男性の育児休業促進も兼ねた分割取得等、「短期の育児休業」というのは取得する側の取りやすさ(申し訳なさの軽減含む)と、取得される側(職場)の負担感の軽減の両方の利点があるので非常に良いと感じました。

では!