グループGです。世界最強のブラジルを除くとどこがグループ突破してもおかしくありません。特に、スイス・カメルーン・セルビアはお互いに対戦経験も少なく、一つ一つのプレーにミスなく、守備を貫徹すること、決定機を絶対に逃さないことなど、それぞれのプレイヤーの出来によって大きく結果が変わっていくことでしょう。
ブラジル(1位)
やはりブラジルの強さは層の厚さ。どのポジションでも有力なライバル関係が構築されており、ポジション争いだけでなく、コンビネーションの精度を高めるところまでチーム内に良い緊張感が漲っているのが強さの証。豊富なタレントがだれも無駄遣いされることなく、敵に合わせてメンバーやフォーメーションを変えながらも、プレーはどれ一つとして質を落とさないのも最強たる所以です。唯一の心配といえば、「最強」の名のせいで、相手のラフプレーに選手たちがさらされやすいところ。まあそんなガラス製の選手が少ないのと、ファールをもらう上手さも持ち合わせているのでそこまで心配するほどのことはないのかもしれません。
ブラジル注目選手
ネイマール
やはり現代のサッカー選手でも最高の選手に注目しないでいられません。フランスのPSGではケガの影響もあって出場機会が減りましたがそれでもここ数年は復調し、出場すればほぼ必ずゴールかアシストを記録する驚異的な成績を残しています。生涯通して1試合当たりのゴール率6割超え、リーグ・アンの6シーズンでは驚異の7割超えと安定の怪物ぶりです。PSGではメッシやエムバペといったスターたちと共演していることからアシスト数もうなぎ上りで、代表内でもほかのプレーヤーを活かす動きや守備への意識の向上など、いちサッカー選手として完成してきた感もあります。30歳というサッカー選手としてのピークで挑むカタールワールドカップは間違いなく優勝を狙ってくるはずです。
チアゴ・シウヴァをはじめ、ダニ・アウヴェスやカゼミーロ、サンドロなど超の付く鉄壁守備陣は何の心配もなく、彼らに代わるミリトンら若手選手たちも経験値意外は何の遜色もないプレーを見せてくれるので、もう一人の注目はFWからこの人
アントニー
今シーズンからマンチェスター・Uに加入した22歳のスター候補。数いる“ネイマール二世”たちの中で代表の中では伸び悩んでいる感もあるアントニーですが、オランダリーグからプレミアへと移り、多くの経験を積んで臨む今大会では、ヴィニシウスやジェズスらライバルと切磋琢磨してさらなる成長が望まれます。
スイス(16位)
シャキリやジャカといった主力選手の劣化を待つことなく、平均年齢27歳という脂の乗り切った選手たちで悲願の優勝を狙います。トップ下のジャカを中心とした各選手とのホットラインを大切に、素早いパスワークで相手を崩しながらゴールに迫るスタンスはスペインやドイツのポゼッションサッカーと似ている部分があるかもしれません。圧倒的な決定力をもつタレントが不在ですが、2列目、3列目の丁寧なビルドアップによってエンボロやセフェロヴィッチ、オカフォーなどどこからでも得点を狙えるだけのポテンシャルは十分秘めています。
スイス注目選手
DFファビアン・シェア
ボールを狩り取るハンターとしてスイスのDF陣でチームのダイナモであるアカンジと並んで、ビルドアップの要となる選手です。脳震盪を起こしてもプレーを続行する(危険ですが)など精神的・肉体的にタフな選手なので、ブラジル相手にも大量失点しない連携の取れた守備を見せてくれるはずです。
MFファビアン・リーダー
今回のスイス代表の中でもサプライズ召集となったリーダーは、国内のヤングボーイズでボランチとしてプレーしています。トップ下からゲームメイクできる攻撃センスも持ち合わせた選手で、左足から繰り出されるセンスの光るパスがスイスの攻撃を活性化させてくれるはずです。出場機会がどれだけ与えられるかわかりませんが、本選に出さえすれば一気に世界が注目する選手になるでしょう。
カメルーン(38位)
インテルの守護神A・オナナを中心に鉄壁の守備を誇るカメルーン代表。同国代表元OBでキャプテンとしてまた鉄壁の守備陣の一角を担ったソングが監督を務め、”カメルーンの英雄”エトー(ソングからキャプテンの座を譲られた)がカメルーンサッカー連盟の会長を務めるなど、国を挙げてサッカーに力を入れています。アフリカ予選ではアフリカ最強のナイジェリアやコートジボワールを破り見事本選出場を決めています。
注目はやっぱり守備、2列目、3列目の8人が組織的な動きでどこのエリアでも執拗にボールを狩り獲っていきます。
カメルーン注目選手
エリック・マキシム・シュポ=モティング
所属するバイエルンで絶好調のカメルーンのエース。クラブチーム通りの活躍ができれば、十分カメルーンの得点源になれる選手なのですが、やはり代表チームではスターばかりが集うバイエルンとは勝手が違うというもの。戦い方は違いますが、必然的にモティングにどれだけボールを良いタイミングで渡せるかが勝負のカギです。
やはり2列目のアンギサ、エカンビ、オングラの各選手には注目です。
特にマルタン・オングラにしましょうか。
バルセロナのリザーブチームに所属するなど、ラ・リーガで鍛え抜かれた足元のテクニックと、ベルギー、イタリアで鍛えられた守備力を併せ持つ大型のMFです。
セルビア(25位)
3-4-2-1という超攻撃型フォーメーション用いて、列強を悉く打ち破ってワールドカップ出場を決めました。監督のストイコビッチは”ピクシー(妖精)”の愛称で世界を魅了したテクニシャン。長年セルビアを支えてきたベテラン勢の引退と若手の台頭がばっちりはまってチームとしての完成度も高まっています。ホコ×タテ対決になりそうなカメルーン戦はどちらの国にとっても勝ち点が欲しい大勝負になるはずなので大注目です。
セルビア注目選手
アレクサンダー・ミトロビッチ
前回大会でも滲み出るマフィア感に引き寄せられて応援していたフルハムのミトロビッチですが、ここにきてさらに爆発力に磨きがかかっています。イングランド2部だったフルハムで1シーズン43ゴールという驚異的な記録を打ち立て、チームの1部昇格に貢献しました。現在のプレミアリーグでも得点ランキング4位と絶好調なので、十分期待できます。
ドゥシャン・ブラホビッチ
ミトロビッチというストライカーがいながら、さらに怪物級のストライカーが誕生するのがうらやましいというか、悩ましいというか。セリエAのユヴェントスでプレーする22歳。190㎝93㎏という超大型FWとしてのボールキープ力もさすがですが、シュートセンスに目を見張るものがあります。絶対に枠内にいく、という確信というか信頼があるのが頼もしいです。
試合予想
1位 ブラジル 2勝1分
2位 セルビア 1勝2分
3位 スイス 1勝1敗1分
4位 カメルーン 2敗1分
ブラジルは順当だと思います。
問題は、カメルーンのドロー数でしょうか。守り勝つチームというのは必然的に勝ち点が増えるので、どこかで3試合のうち1勝できる戦い方ができれば、十分グループ突破もあり得ます。
では!