熾烈なグループ突破争いが繰り広げられそうなグループC
特にメッシやレヴァンドフスキといった時代を代表するサッカー選手たちが鎬を削る最後の大会になるかもしれない、ということもあって、世界中の注目が集まっているグループに違いありません。
アルゼンチン(3位)
昨年のコパ・アメリカ(南米選手権)でブラジルを破って初優勝を飾るなど勢いもチームとしての力も最高潮に達しています。またメッシやディ・マリアといった衰えしらずの天才たちとアルバレスをはじめとするニュースターたちがともに切磋琢磨しあい、完成度の高いチーム作りができています。間違いなく優勝候補の一角でしょう。
アルゼンチン注目選手
「現役選手の中で大好きな選手を5人言って」と言われたら間違いなく入ってきます。
MF/FWアンヘル・ディ・マリアです。
アグエロやイグアインら同世代の代表選手たちが続々引退する中、切れ味鋭いラボーナ(テクニックの一つ)と“魔法の左足”から放たれる変幻自在のシュートやパスを武器に今なお第一線で活躍する天才です。失礼極まりないんですが、サッカー顔じゃないんですよね。体格もごつくないし、表情だってエゴイストな感じもなく素朴な面持ち。なのに、プレーは大胆かつ鮮やか、相手DFを翻弄する華麗なテクニックと意表を突く大胆なプレーがとにかくサッカーを見る楽しさを教えてくれます。ただただディ・マリアが見たくて今大会は見ます。
昨シーズンはPSG(フランスのトップチーム)でメッシとコンビを組んでいたので、チーム内での連携も完璧でしょう。早く見たい。
あとは若手からも注目選手を挙げておきましょう
MFロドリゴ・デ・ポルでお願いします。
まあ28歳ですから、若手ってほどの年齢でもないんですが、これからのアルゼンチンサッカーの中心になる選手です。彼の場合は中盤の支配者として、攻守の両面でミスのないプレーが求められます。セリエA(イタリア1部リーグ)で鍛えられた守備力を活かしてチームの危機を救いつつ、ボールを前進させることができるか、攻守のバランスも考慮・調整しながら、試合をコントロールするキーマンです。
サウジアラビア(53位)
地力だけを考えると望みが薄いように思えるグループ突破ですが、開催までめちゃくちゃ親善試合するんですよね。あと3~4試合あるんじゃなかったかな。日本なんてたった1試合ですからね。どうなってんだ。
ケガによる主力離脱のリスクがあるとはいえ、生の試合勘というのが、グループリーグで良い方向に働くのは間違いありません。チームの状況で言えば、主力のほとんどが国内リーグの選手で構成されており、コンビネーションが勝利の鍵になってくるはず。
サウジアラビア注目選手
FWサレー・アル・シェフリ
アジア最終予選では、アル・ブライカンという新星の台頭もあって、サブメンバーに落ちることもありましたが、試合を決める決定的なゴールを生み出すことも多く、直近の親善試合でもゴールを決めるなど確かな勝負強さがあります。ドルブルで抜いていくというよりかは、ファーストタッチのうまさ、また裏に抜け出る動きとDFを抑えてどんな体制でもシュートを放つフィジカルの強さが得点力につながっています。
コールパフォーマンスが地味にイイですね。
メキシコ(12位)
2020東京オリンピックの銅メダルをかけた戦いで日本がぼこぼこにされたのを覚えている人も多いでしょう。その時のU-23のメンバーの多くがA代表に名を連ねています。つまり強いってことです。日本が翻弄されたように短いパスを高速でつなぐ素早いサッカーは、見ていて楽しいですし、そもそも強引に突破できる個人の力も持ち合わせているので、どんなチームでも切り崩せる実力は十分備わっています。
メキシコ注目選手
未来のメキシコサッカーを担うべき“メキシコのメッシ”ことディエゴ・ライネスへの注目はもちろんあります。ラ・リーガ(スペイン1部リーグ)で約4シーズンノーゴールと厳しい4年間を過ごしましたが、潜在能力は十分。今シーズンはポルトガルのリーグで得点を挙げるなど、少しずつではありますが、復調の兆しが見えます。
ということでライネスを見ながら最大の注目は
MFエリック・グティエレス
グティエレスといえば元スペイン代表のグティとが思い出されますが、これからは彼もお願いします。オランダの名門PSVでプレーする27歳。中盤で相手の攻撃の芽を摘むレジスタとして、また高速パスワークの起点として縦横無尽の活躍が期待されます。また正確かつ柔らかいロングパスやエリア外からのミドルシュートという武器も持っており、器用なオールラウンダーとして彼のプレーには注目です。
ポーランド(26位)
生きる伝説ロベルト・レヴァンドフスキを擁するポーランドですが、前回大会のグループリーグ敗退の悔しさを晴らすことができるかどうか。決して楽な壁ではないでしょう。良くも悪くもレヴァンドフスキ頼みのチームのため、「勝ち続けなければいけない」グループステージでそのほかのオプションが少ないことは大きなハンデになっています。イングランドやアルゼンチン、ウェールズが絶対的エースとのコンビネーションを磨いている中、本選までにレヴァンドフスキへのボールの集め方、形をどこまで精度を上げて作り上げることができるかが勝負の鍵です。
ポーランド注目選手
いかにレヴァンドフスキにボールを集めるかを考えたときに、両サイドからの攻撃の展開は必要不可欠です。テクニックだけでなくフィジカル面でも穴のないレヴァンドフスキですから、とにかく攻撃チャンスを増やし続けることが重要になってくるはず。ということで一人目は
ヤクブ・カミンスキ(20)
今シーズンからドイツのヴォルフスブルクに加入し、A代表デビューも果たしたまさに新星です。屈強なDFにも当たり負けしないフィジカルとスピードを兼ね備えたストライカーですが、ポーランド代表の中では、レヴァンドフスキというターゲットを囮にしながら自信がゴールを狙ったり、サイドからの素早いカットインなど攻撃パターンを増やす役割が期待できます。まずはレギュラーを奪取するところからかもしれませんが、出場できれば注目に値する選手です。
もう一人は同じくFWのカミル・ヨズヴィアクです。アメリカのシャーロットでプレーする24歳。カミンスキが右利きながら左サイドからも駆け上がってくるとしたら、ヨズヴィアクは右サイドからのカットインが魅力です。直近の試合での活躍があまりなさそうなので、まずは代表招集から、というところなのかもしれませんが、将来性を含めて出場すれば注目したい選手です。
ポーランドの中盤の選手たちを見てみるとヨーロッパのビッグクラブでプレーする選手ばかり。本来ならナポリでプレーするジェリンスキ以外にも有望株は多いのですが、どうも全員が全員、A代表では本来の力を発揮できていない気がします。この大会で大化けすれば……一気にダークホースとしてグループを荒らしてくれるに違いありません。
試合予想
1位 アルゼンチン
2位 ポーランド
3位 メキシコ
4位 サウジアラビア
アルゼンチン・ポーランドともに勝ち上がってほしい、という願望です。ポーランドは得点力<失点という現状なので、正直、メキシコやサウジの攻撃力を往なす力はないと思っています。2-2とか3-3とか大味な試合になるのではないでしょうか。だからこそ対アルゼンチンでは勝つ姿が見えないし、現実的な予想になると2位通過はメキシコかなあと思っています。まあでもレヴァンドフスキを少しでも長く見たいですからね。データ上は1994年大会以降常にグループを突破しているメキシコですが、なんとか頑張ってほしいと思います。
一方で日本人としてはアジア枠のサウジアラビアにも強豪国に一矢報いてほしいところ。対南米対策で行っている親善試合は3戦して2敗1分けと勝利こそついていないもののどれもロースコアでいい試合をしています。格上には、引き分けでも勝ち点が積み上がります。ジャイアントキリングはいつでも大歓迎です。
では!