『吠える犬』E.S.ガードナー【感想】今日もカッコいいぜ!おれは吠える

THE CASE OF THE HOWLING DOG 1938年発表 弁護士ペリー・メイスン4 小西宏訳 創元推理文庫発行 前作『幸運の脚(幸運な足の娘)』 次作『奇妙な花嫁』 隣人の家の犬が吠えて迷惑だ、という依頼を受けたメイスンだったが、隣人の主張によると犬は吠えなかっ…

『フレンチ警部と毒蛇の謎』F.W.クロフツ【感想】倒叙のようで倒叙でない

ANTIDOTE TO VENOM 1938年発表 フレンチ警部18 霜島義明訳 創元推理文庫発行 前作『シグニット号の死』 次作『フレンチ警部と多忙な休暇』 三大倒叙の一つと呼ばれる『クロイドン発12時30分』を生み出して以降、クロフツの倒叙に対する興味はしばらく色褪せ…

『震えない男』ジョン・ディクスン・カー【感想】展開力を楽しむ

THE MAN WHO COULD NOT SHUDDER 1940年発表 ギデオン・フェル博士12 村崎敏郎訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ―525 前作『テニスコートの殺人』 次作『連続殺人事件』 ネタバレなし感想 飛びつく椅子、揺れるシャンデリア、曰く付きの幽霊屋敷を買い取った物…

『神は銃弾』ボストン・テラン【感想】神とかどうでもいい、紙は重厚

GOD IS A BULLET 1999年発表 田口俊樹 文春文庫発行 英国推理作家協会(CWA)の新人賞を受賞し、スリラー・ノワール・純文学の巨匠たちとも比較されることの多いボストン・テランのデビュー作だ。 500頁を超える雄編だが、物語はいたってシンプル。カルト集…

『雪の狼』グレン・ミード【感想】熱い涙で雪さえ溶ける

SNOW WOLF 1995年発表 戸田裕之訳 二見書房発行 またとんでもない冒険小説を読んでしまった。できることなら何も余計なことなど言わずにオススメしたい。 そもそも冒険小説をあまり読んだ経験がないので、本書の帯に書かれている、フレデリック・フォーサイ…

『シグニット号の死』F.W.クロフツ【感想】フレンチ警部に旅をさせてやってくれ

THE END OF ANDREW HARRISON 1938年発表 フレンチ警部17 中山善之訳 創元推理文庫発行 前作『フレンチ警部と漂う死体』 次作『フレンチ警部と毒蛇の謎』 フレンチ警部シリーズも第17作になりました。『ヴォスパー号の喪失(遭難)』 『船から消えた男』『フ…

ROCK AND ROLL AND RAMBLE【Ed Sheeran】

前回Elvis Presleyの記事から一気に現代にまでタイムスリップしてしまい、この間の5~60年のロック史がいったいどうなったのか触れないことをご容赦ください。 Ed SheeranとElvis Presley、もちろん全く違う国の異なったアーティストであるのは間違いないの…

『四人の申し分なき重罪人』G.K.チェスタトン【感想】逆説戦隊

FOUR FAULTLESS FELONS 1930年発表 ノンシリーズ 西崎憲訳 ちくま文庫発行 ミステリ作家としてのチェスタトンの人生の中でも晩年に発表された中編集です。 新聞記者ピニオン氏は特ダネの取材のため、ある高名な貴族の取材のためにロンドンを訪れます。そこで…

閉所愛好家の謎【反省】

先日は作品と言うのもおこがましいレベルの作品に目を通していただきありがとうございます。 閉所愛好家の謎【問題編】 閉所愛好家の謎【解決編】 【解決編】はなんと約50名もの方に読んでいただいたようで、本当にうれしいです。 今は、はじめて最初からオ…

閉所愛好家の謎【解決編】 

まさか、問題編を超える文字数になるなんて思いもしませんでした。いかに問題編にちゃんと手掛かりを配置できていなかったか、ということでしょうか。 無駄な記述が多いせいかもしれません。トリックに苛立ってもビン・カンを投げないように。危ないです。 …

閉所愛好家の謎【問題編】

短篇ミステリを書いてみた。 きっかけはTwitterでフォローしているこいさんの謎解きクイズ。 こい on Twitter: "【FILE4:100万円で作家デビュー!】 はじめて見取り図というものを描いた(正解者10名で解答公開) #謎解きクイズ… " めちゃくちゃ面白いのでみ…

ROCK AND ROLL AND RAMBLE【Elvis Presley】

ベイビー・ドライバーの影響で高校生の時以来の洋楽ブームが到来しております。 ベイビー・ドライバーの影響でiPodも買ったし、Apple Musicにも加入済み。気になる音源を片っ端からDLし、どばどばと耳から注ぐ日々が続いています。だめだ。全然本が読めねえ…

ベイビー・ドライバー【映画】お前はおれか?

ちょうどNetflixでも公開されていたので、見てみました。 アカデミー賞ノミネート作品ということと、定期購読している偽物の映画館さんでも「一番好きな映画」と大絶賛だったので、期待値は上がりまくり。 事前情報も、天才的なドライバー通称”ベイビー”が銀…

人生初めてのDIYをしたので記録しておこっと【準備物編】

GWを利用して、「やってみよう」をやってみた。 そうDo It Yourself、DIYである。 元々は、電動工具を買って、引っ越しの際に出た大型家具等の粗大ごみの解体を行う予定だったのだが、面倒くさくて家族への愛に突き動かされて、妻から依頼されていた「洗濯機…

『ドラゴンの歯』エラリー・クイーン【感想】遅れてきた思春期

The Dragon’s Teeth 1939年発表 エラリー・クイーン14 青田勝訳 ハヤカワ文庫発行 前作『ハートの4』 次作『災厄の町』 ついにライツヴィルの入り口までたどり着きました。ハリウッドシリーズ最後の一作です。ハリウッドシリーズと言っても、舞台はクイーン…