『オリエント急行殺人事件』【ネタバレなし感想】線香花火のような

©2017Twentieth Century Fox Film Corporation 公開から1ヵ月近く経った1月某日、ついにアガサ・クリスティ原作の映画『オリエント急行殺人事件』を鑑賞してきました。 前日までに、原作もサラッと読み返し、復習もバッチリ。 で感想なんですが、タイトル…

全てにおいて前作を上回る【感想】ジョージェット・ヘイヤー『マシューズ家の毒』

発表年:1936年 作者:ジョージェット・ヘイヤー シリーズ:ハナサイド警視2 訳者:猪俣美江子 ジョージェット・ヘイヤーのミステリはこれが2回目。 歴史ロマンスの大家として知られる女史の第二長編は、やはり前作と同じような騒々しく喧々たる状況の中始…

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』【感想】キャリー・フィッシャーありがとう

©LUCASFILM/WALT DISNEY PICTURES 適当なタイトルが思いつかなかったのが正直なところなんだけど、真っ先に思いついたのは、 ただただ、 2016年に公開を待たずしてこの世を去ったキャリー・フィッシャー(レイア・オーガナ役)への感謝の気持ち。 劇中、何度…

2017年下半期読了ミステリベストテン

残念なことに、2017年の下半期は読了本がかなり少なく、たったの27作。 ベストテンの信頼性も薄いですが、決してオススメできない作品は無いんですよね。 この半年は、とにかくカーを読み進めました。 目標はなんといっても傑作と名高い『ユダの窓』 11月に…

『ユダの窓』カーター・ディクスン【感想】ハウダニットの極致

1938年発表 ヘンリ・メリヴェール卿7 高沢治訳 創元推理文庫発行 前作『孔雀の羽根』 次作『五つの箱の死』 今年最後の海外ミステリ感想記事になりそうです。でも最後に、本作を紹介できるのは嬉しかったりして… というのも海外ミステリ界に燦然と輝く傑作…

シンプルを通り越した地味さ【感想】F.W.クロフツ『海の秘密』

発表年:1928年 作者:F.W.クロフツ シリーズ:フレンチ警部4 訳者:向後英一 本作はF.W.クロフツが創造したシリーズ探偵フレンチ警部の第4作目なんですが、いかんせん手に入り難い… 全然新訳じゃなくても良いと思うので、復刊して是非多くの人に手に取って…

よく読まれてはいないけどとりあえずミステリ感想記事5選【2017年第4四半期】

もう絶対来年やんない! だって…よく読まれてないもん泣 ごめんなさいヒステリックになって。 というか、今年になってほんと公式のはてなブログの紹介力ってすごいなと痛感しました。 公式はてなブログに紹介していただいたM-1グランプリ2017総評 (859PV)…

クリスティ作品をざっくり型で分類してみた【感想】アガサ・クリスティ『死人の鏡』

発表年:1937年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:エルキュール・ポワロ 訳者:小倉多加志 各話感想 ざっくりクリスティ作品分類 ありきたり型 モンスター型 ロマンス型 アブノーマル型 クリスティ型 本作はエルキュール・ポワロものの中編が4編収められ…

アタリハズレというかテンションの違い【感想】カーター・ディクスン『孔雀の羽根』

1937年発表 ヘンリ・メリヴェール卿6 厚木淳訳 創元推理文庫発行 前作『パンチとジュディ』 次作『ユダの窓』 カーの作品は当たりハズレが多いとよく聞きます。 たしかにそういう一面もあると思います。 なんだこれ、みたいな。 え?正気?みたいな。 結果…

たくわえる、のみこむ、はきだす

ポケモンの技です。 ウルトラムーン買おうかな、と悩んでます。 今日はいつものブログの趣旨から外れてなんの脈絡もない3つの話。 めまいの話 年賀状っている?の話 人が死ぬ話が面白いか、と聞かれた話 人が死ぬ話が好きなわけじゃない△ 決して、ミステリ=…

クリスティはタイムトラベラー?【感想】アガサ・クリスティ『NかMか』

発表年:1941年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:トミー&タペンス3 訳者:深町眞理子 トミー&タペンスの軌跡 当記事のタイトルについて ミステリとして 何か違うことを言おう、違うことを言おう、と悩み過ぎた結果がこれです。 正直、講談社から出版…

無垢って何だろう【感想】ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』

発表年:1954年 作者:ウィリアム・ゴールディング 訳者:平井正穂 定期購読しているうさるの厨二病な読書日記さんでおすすめされていた、気軽に読める退廃的な世界名作文学の中からビビッと来た1冊を読んでみた。 www.saiusaruzzz.com 特に「無人島に不時…

『ジャスティスリーグ』【感想】DCよ焦らないで地道に進むのです…

DCコミックスと言えば、当ブログでも度々紹介しているマーベルと対成す二大アメコミ出版社のひとつです。代表的なヒーローはスーパーマンとバットマン。 そんなDCのスーパーヒーローチームが登場する映画『ジャスティスリーグ』をさっそく見に行ってまいりま…

M-1グランプリ2017総評

実は随分前から一度やってみたかったんですよね。お笑いについて語ってみること。 ほんとブログって、大好きなことを誰の目も気にせず自由に言える素晴らしい世界です。 ということで、昨日M-1グランプリ2017が開催されました。 やっぱり視聴者なら、漫才師…

ミステリだと思い込んで読むのはアリ【感想】G.K.チェスタトン『木曜の男』

発表年:1908年 作者:G.K.チェスタトン シリーズ:ノンシリーズ 訳者:吉田健一 いつも「ミステリ」の書評を中心に書いてるせいか、今回は久々に筆というか、キーボードがノらない感想書きになりそうです。なんたって、ミステリじゃあないんですからね… た…