2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

伝説はここから始まった【感想】『シャーロック・ホームズの冒険』アーサー・コナン・ドイル

発表年:1892年作者:アーサー・コナン・ドイルシリーズ:シャーロック・ホームズ3 本作は、1891年から1892年にかけてイギリスの月刊誌『ストランド・マガジン』に連載されていたシャーロック・ホームズものの短編を集めた短編集です。 この作品を持ってコナ…

ドロドロ&ドンヨリで決して爽快感はない【感想】イーデン・フィルポッツ『だれがコマドリを殺したのか?』

発表年:1924年 作者:ハリントン・ヘクスト(イーデン・フィルポッツ) シリーズ:ノンシリーズ 作者のイーデン・フィルポッツは、もともとイギリスの田園小説や歴史小説を得意とする作家だったそうで、推理小説に挑戦したのも、なんと60歳を超えてからだったと…

推理小説論①

今日は陳腐な回になるかもしれませんが、どうぞお付き合いください。 自分なりに推理小説という大きな小説のジャンルを分類し、傾向や特徴を理解し、歴史を勉強するという意味でも、文に起こして書いておこうと思います。 ただ当然のことながら全ての推理小…

怪盗紳士ルパン【感想】モーリス・ルブラン

発表年:1905年 作者:モーリス・ルブラン シリーズ:アルセーヌ・ルパン1 日本人にとってルパンという名は、決して聞き馴染みの無い名前ではないはずです。もちろん、モンキーパンチ原作のコミック「ルパン三世」のおかげもあるでしょうが、老若男女にわた…

二人の素人探偵という設定が斬新【感想】A.A.ミルン『赤い館の秘密』

発表年:1921年 作者:A.A.ミルン シリーズ:ノンシリーズ 推理小説初心者の方にも安心してオススメできる一冊ですねー。 A.A.ミルンと言えば、あの「くまのプーさん」の原作者ですね。 かたや愛する息子に捧げた児童書、かたや敬愛する父に捧げた推理小説、…

薔薇荘にて【感想】A.E.W.メイスン

発表年:1910年 作者:A.E.W.メイスン シリーズ:ガブリエル・アノー1 俳優・劇作家・下院議員・諜報部員(スパイ)など多くの顔を持つメイスンは、推理小説だけでなく、冒険小説・スパイ小説でも数々の名作を世に送り出した小説家でした。 小説家としてデビ…

誰の死体?【感想】ドロシー・L・セイヤーズ

発表年:1923年 作者:ドロシー・L・セイヤーズ シリーズ:ピーター・ウィムジィ卿 6歳でラテン語を、15歳でフランス語とドイツ語をマスターしてしまった天才女流作家。 そう本日紹介するドロシー・L・セイヤーズのことです。 彼女は人気・実力ともに、アガ…

樽【感想】F.W.クロフツ

発表年:1920年 作者:F.W.クロフツ シリーズ:ノンシリーズ 本作の感想を述べるにあたって、まずは重要なキーワードである『樽』について説明しておくべきでしょう。 『樽』と聞くと、私は真っ先にドンキーコングを連想します。ドンキーコングの世界で樽は…