前回に続いて今回は、家づくりのスタートにおいて【家づくりセミナー】を利用した場合に、どのようなメリット・デメリットがあるか記録しておきたい。
【家づくりセミナー】と言っても、スーモカウンターが行っているのも家づくりセミナーの一環なので、言葉の意味に大差があるわけではない。
ここで言う【家づくりセミナー】とは、工務店やハウスメーカーが無料で開催する家づくりに関する勉強会・講座・相談会のこと。HM等からすると、最初っからゴリゴリの営業をかけて引かれてしまうリスクを回避して、当たり障りない、けれども役には立つ相談会を実施するメリットはある。でも、結局は各社自分のところで契約をとるための営業スタイルの一つだったり……。
今回、自分たちが体験した家づくりセミナーもそんな工務店?建築屋が提供する家づくり講座だった。
ズバリ!
無印良品の家
名前のとおり、あの無印良品が家をつくっているらしい。無印良品と言えば母体が株式会社良品計画ということで超大手企業なのだが、その家づくりの精神や姿勢には好感が持てる。以下は、ホームページに掲載されている家づくり相談会のコンセプトだ。
家を買うのはまだまだ先と思っている方に。家を建てようと思ったときにまず感じることは、「何から手をつければよいのかわからない」ことなのではないでしょうか?ローンを組むのは金融機関が相手。家を建てるのは住宅メーカーが相手。土地を購入するのは不動産業者が相手。一体どこから始めたらいいの?という話をよく聞きます。家づくりのイロハの「イ」から勉強できるのが、この家づくり初心者相談です。
実際に体験してみて感じることだが、この相談会自体はものすごく良かった。
まず、無理な営業が全くないということ。もちろん各講座ごとの帰結は、無印良品の家がいかに良いか、という営業トークだったが……。
また、講座担当者が実際に家を建てるプロだから安心感がある。自分たちの担当は、元大手HM勤務で一級建築士の肩書を有する経験豊富な担当者だった。
講座の項目は、資金計画に始まり、土地探し、設計・建築知識、建物の構造、長期優良住宅、快適な家づくり、住まいの実例、などのテーマに分かれている。
住まいの実例以外の項目は受講してみたが、中でも「土地探し」講座はとても役立った。スーモやHOME’Sなどのサイトで土地情報を検索しても、まず書かれてある用語がよくわからないことが多い。まあ、それくらいならネットで検索すれば良いのだが、どこに着目して良い土地探しをしたらよいのか、という基本原理原則みたいなところを優しく丁寧に教えてくれたのは嬉しい。
ちなみに、今回家を建てようと思っている土地は業者に探してもらったのではなく、自分で見つけた土地。数多の物件情報から、学んだ知識を駆使して選出した土地だった。建ててみないとその真の価値はわからないし、自分で言うのもなんだが良い土地だと思う。それもこれも、無印良品の家で無料相談会を受講したおかげ。ちなみに、無印良品で家を建てるわけじゃないので、若干の罪悪感はある。
あと、その場で直ぐに土地情報を検索したり、どんな物件なのかその物件を有する不動産会社へ問い合わせてくれたのが心強かった。
不動産業界には、全国の物件をスムーズに流通させるための専用システム通称:REINS(レインズReal Estate Information Network System)がある。もちろん一般人は利用できない。
このレインズで出てくる情報は、スーモやHOME’Sの比ではない。ネットでは恣意的に隠されている物件情報や瑕疵もレインズで調べるとより詳しく知ることができる。
最後に一つ問題。以下の図のような土地があった場合、どこを選択するだろうか。矛盾はあるが全て約30坪の土地だとして考えてもらいたい。
真ん中のような旗竿地(旗みたいだから)を選ぶ人は少ないだろうが、そもそも赤抜きの土地は、たとえ買ったとしても、建築物を建てることができない土地。道路に面した幅(間口)が2.0m以上ないAはダメ。どこも建築基準法上の道路に面していない土地B・Cもダメなのだ。
また、D~Gは再建築が可能だが、前面の道路が4.0m以下の場合、4.0mになるように道路の中心線からセットバック(後退)する必要がある。図の土地の場合全て道路の中心線から2.0m後退なので50㎝セットバックしなければならない。せっかく土地を購入しても、使える敷地は少なくなるということだ。
これらの情報は土地探し前に知っておきたい基礎中の基礎。相談会ではもっと詳しい土地の見方や注意点も教えてくれる。気になった方は、お近くのモデルハウスや家センターと呼ばれる営業所を検索し予約してみると良い。
まとめ
- 強引な営業のない無印良品の家づくりセミナーは超オススメ
- 資金計画、土地探し、構造や建築の基礎知識は受講必須
- 講義担当者に十分な知識・技能・経験・資格があることが重要
- とはいえ、全てを鵜呑みにすることなく、ちゃんと自分でも情報の真偽を確かめること。
- デメリットは特になし。情報は多ければ多いほど判断材料になる。時間にゆとりがあれば積極的に参加すべし。
では!