書評を書くのが恐くなったあなたに、そして自分へ

 

もう感想書くのがめっちゃ恐い

何が恐いって、薄いだとか、すっからかんとか、言われるのが恐い。

もうハゲと共通しますからねコレ。前髪掻き上げて鏡見るのも怖いのに、ブログ書くのも恐くなっちゃおしまい。

さすがに、3年前の記事に比べればちっとはマシになっている自信はあるんですが、さてどうだ?客観的に自分の記事が見れているか?不安でしょうがない。

ネットでのレビューの薄さに関しての記事では、たしか「勝手サイト」と呼ばれているのを見て勝手にビビりまくってました。

 

でも大丈夫、わかってるんです。

Google神への供物として行われる、ありとあらゆるSEO対策が問題のひとつなのは。

いわゆる「検索にひっかりやすくなるテクニック」的なものの氾濫の所為で、ちゃんと中身のある、価値あるブログが埋もれちゃっているんじゃないか。収益を上げるため、とか読者数を増やすために、といった目的で増殖する外来生物「勝手サイト」のせいで、在来する「素人たち」による真っ直ぐな意見が埋もれちゃてるんじゃないか、という危惧。

これはあります。

 

あります。なんつって、実は自分も不安なところがあります。

一例を挙げると、たまたま当ブログは、ミステリ作家の「クロフツ 感想」とかで調べると、結構上位に表示されることも多くて、最初のうちはひゃっほーう!みたいな浮かれ気分でいたんです。

 

でもですね。あるとき、検索結果の2ページ目以降の記事も漁っていたら、とんでもない良作に出会ったわけです。

どこにでもあるような、ただ、あらすじがサラッと紹介されて、「ネタバレありま~す」みたいな表記があって、普通にネタバレして、☆4つ!、「次○○読みま~す」みたいなんじゃなくて、時代背景だったり、作中に登場する小道具一つから話を膨らませて、どんどんどんどん話が飛躍していく。

たまに、えっこれミステリ系のサイトだよなって疑問が瞬間的に訪れるんだけど、不思議と不快感もなく、知りたかった知識も、どうでもいい薀蓄も知ることができ、かつ書き手の個性もばっちり出ていて病みつきになる。そんな名サイトでした(残念ながらもう更新は止まっているみたい)


わかったのは、現状だけで言えば、≪僕の猫舎≫がそのブログよりも上位に表示されるせいで、せっかくの良コンテンツが埋もれてしまっている可能性は十分ある、ということ。

というか、≪僕の猫舎≫の過去記事にだって、ただあらすじがあって、ネタバレありまーすって記述があって、普通にネタバレして、「次はこれこれ読みます」みたいな記事普通にありますからね。

なんかもう最近は

「これすごく良い…」

「あゝ面白い…」

みたいな単語しか書いてないときもあります。見つけた時、恥ずかしくて震えました。

それ以降、何が正しいんだっけ?どんだけ特殊な書き方しなきゃいけないの?みたいな疑問が発生して、ちょっと感想記事を書く手が止まりました。

 

 


結局何が言いたいのか?

今日の記事では、SEO対策やり過ぎの是非、とかインターネットのこれから、とか何か尖ったこと言う気はありません(できません)。


前置きだけで、スゲー長くなってしまってごめんなさい。

こっからはあくまで冷静に、クールに、

自分が感想書きを書くときに大事にしようと思ったこと

をまとめておいて、後からでも見返せるように残しておきます。そして、書評を書くのが恐くなったときに見返して、自分を見失わないようにできれば良いと思います。

ただ、ここで勝手な指針を作ったからといって、それを見て変なプレッシャーに悩まされないように、ストレスを感じないようにしてくださいね。ハゲますよ。

とにかく、やりたいように伸び伸びやりましょう。

※ちなみに以下は全てミステリ系書籍の書評を想定しています。

 

 

あらすじは必要か

これは結構迷います。最初っから迷います。

要不要については、作品それぞれかな、とは思うのですが、書く場合は、できるだけ余分なものを削ぎ落として、かつ作品の良さをアピールできるかが腕の見せ所です。

特に、事件(殺人)が起こるまではしっかりボヤかしたいと思っています。だって、2~3章経ってから、ようやく殺人事件が起こるのに、あらすじで誰が死ぬか分かっちゃったらドキドキが半減しませんか?

そういうことです。

 

タイトルがだれそれ殺人事件などと特定の人間が死ぬことが判っている場合や、開始数ページで殺人が起こる場合、またすでに殺人が起こっている前提で幕開けするミステリを除いて、あらすじでは殺人事件の中身は伏せるつもりです。

だから当ブログでは粗(い)あらすじ、としています。誤字ではありません。

 

 

主観で見るか客観で見るか

一つの作品を偏った見方で捉えずに、客観的に眺めることはたしかに大事です。でも、個人が仕事でもなんでもないただの趣味でやってる個人ブログで、個を捨てて客観的な意見だけをつらつらと書くだけの書評が面白いわけない……

あくまで、自分がですよ。

 

なので自分が書きたいのがどちらか自問自答した上で、どちらかに重みを付けたらいいと思います。というか、客観100%なんてのがあったら、それはそれで薄いものになるんじゃないだろうかとも思ったり…。

当ブログでは、基本的には主観100%で書こうと思っています。だから、自然と「この設定が好き!」「この台詞にズッキュンきた!」「こいつほんと嫌い!」という超主観の好き嫌いプラス、これこれがこうだったら…という妄想や空想で記事が埋まります。

これが薄い、と言われたら仕様がありません。ちょっと煮詰めて汁気を飛ばしてください。

 

 

文学的価値を評価すべきか

「文学」とか「文学的価値」という単語から定義づけるのは一苦労なので、便宜上「文学的価値」としていますが、ものすごく平たく言えば、物語だけを語るということでしょうか。

 

登場人物同士の人間関係だったり友情やロマンス、そういった文学性だけで読むことは、当ブログでは無いと思います。

例えば、当ブログで

「このミステリは、一人の少女が大人へと成長するミステリだよ」

なんて感想が飛び出したら、そのミステリとしての評価は最低ランクです。

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絵にするまでもないですが、謎とその解決を中心とした、ミステリにおける評価ポイントをバランス良く記述するのが自分の理想です。まあほとんどうまくいきませんが。

もちろん物語の面白さや横筋の魅力、包含される作品のテーマも評価のポイントのひとつにはなりますが、それだけでミステリを語ることはありません。

ただ、古典ミステリなんかは、トリックも古臭く陳腐で、論理性もひったくれもなく、大雑把で突拍子もなく…みたいな作品があるのは事実。でも、そんな時にも、文学性や文学的価値と言ったものに逃げずに、ミステリとして、という部分をゴリゴリと抉りながら書評を書いていきたいのです(願望)。

 

 

ネタバレ感想は必要か

どの口が言ってんだよとお叱りを受けそうですが、原則、ネタバレ感想は必要ない、と思っています。

犯人がだれそれで、トリックがこんなんで、某○○でも使われてて、ちょービックリしましたレベルのものなら要らないということです。

 

ちなみに当ブログの≪謎探偵の推理過程≫は、ネタバレ感想と呼べるほどのものではなく、どんだけ自分があんぽんたんな思考で犯人へと辿りついたかを、赤裸々に綴ったある種の自伝です。

だから、書評には誰が何と言おうと要らないのですが、自分がやりたいのでやらせてください。

 

とはいえ、ネタバレ感想がどうしても書きたい!という書評ブロガーもいらっしゃることでしょう。わかります。すっごくわかります。

だって一つの作品の記事で、ネタバレ無しと有りの2回読者に楽しんでもらえるわけですから使わない手はありません。

ただ書くなら、絶対にその二つの住み分けを確実にしなきゃいけません。ネタバレ無しの記述の中に、犯人を絞らせてしまうような、先入観を抱かせてしまうような記述があるのは言語道断です(耳が痛い)。

また、ネタバレ感想の必要性という点を考慮したいです。このネタバレ感想の必要性において『黄金の羊毛亭』さんに並ぶ書評サイトはありません。

なんといってもネタバレ感想にしか書いていない、ネタバレしてこそ気づき楽しめる評価ポイントが、びっしり書かれています。

ネタバレ感想を書くときには、ネタバレして尚楽しめる、また再読したくなるようなポイントを押さえた記述ができるように注意したいです。

 

 

まとめ

  • あらすじはできる限り薄く、粗く、かつ解りやすく
  • 自分が楽しいと感じるうちは、主観100%で書く
  • 文学性のみに言及はせず、ミステリとしてという評価ポイントをブレさせない
  • ネタバレ感想を書く際には、その必要性を常に意識する

 

よしっ恐くなくなってきたぞ!

もし、私と同じように、書評を書くのが恐くなった方がいらっしゃれば、まず、記事の様式みたいなのを作ってみるのをオススメします。どこに商品紹介を貼って、タイトルの書き方も統一して、評価ポイントを作って、みたいなことです。

そうすれば、どこかの誰かのブログと被っていたとしても(たぶん被っているけど)、自己満足でもオリジナリティを感じることができるし、一度様式を作ってしまえば、あとはその型に記事を流し込めばいいだけで更新も楽になるはずです。

 

 

 

まあ今日書いたことは、現時点での書評の際のポイントですから、私だって今後、心境の変化によって大幅に変わる恐れがあります。

そもそも自分ルールにガチガチに固められて書くのも楽しくないですしね。

臨機応変、緩急剛柔にしながら、でもブレない何かを決めて書かれたブログが、自然と個性あふれる、素人による良質なコンテンツに成長していくんじゃないかと思います。頑張ります。

 

 

では!