引用:2018 Lucasfilm Ltd.&TM
『スター・ウォーズシリーズ』屈指の人気キャラクター、ハン・ソロがいかにして愛すべき悪党〈ハン・ソロ〉となったのか。生涯の相棒チューバッカや愛機ミレニアム・ファルコン号との運命的な出会いとは!?
という触れ込みで、公開前から不安しかない映画でした。
だって、僕たち私たちが知っているハン・ソロやチューバッカやミレニアム・ファルコン号はすでに今までの数多くの作品の中で、これでもかと登場して大活躍してくれています。
今更自伝的な映画なんてほんとうにいるの?
でも見ちゃうんですよコレが。
で腑に落ちないんですよ。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』 予告編 2 (2018年)
そもそもコレって正史なのか。
監督や脚本家がこうだったらいいなあ、なんて妄想で作り上げたものじゃないの?ほんとに?
もしかしたら、晩年のハン・ソロがどっかの惑星の酒場で
「実は俺にはそのまた昔、愛を誓い合った幼馴染がいてな…」てな感じの、酔っ払いの回顧をなんとなく広げたものかもしれない。
それくらい不確かな映画です。
なにより自分の知っているハン・ソロとチューバッカの出会いの話が違う!
ってのビックリ&ガックリしました。
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ちょっと話が飛びますが、ほぼ同じ外伝扱いの『ローグ・ワン』は、正史上におこったアノ大事件の裏で、人知れず奮闘した帝国に対抗する者たちのお話だったわけで、つまりは、誰も知らなかったお話だからウケたんだと思っています。
ただ、今回は、そのほとんどを知ってしまっていた。
例えばケッセル・ランと呼ばれる超危険な航路を最短距離12パーセクで通過した、という伝説的な記録も、その詳細こそ知らなくても、その事実があったことは知っています。
ハン・ソロは、密輸や借金踏み倒しなどやってることは悪党でも、根は優しく「いい人」であることは、もっと知っています。
なので、できるのであれば、スター・ウォーズ経験者が知らないことを教えてほしかった、というの正直な感想です。
例えば、もともと才能のあったパイロットとしての腕を、帝国のアカデミーで磨いたこと。アカデミーで腕を競い合うライバルがいたのか、帝国だけど信頼できる仲間がいたのかそれとも最初っから孤独だったのか。そもそもパイロットを目指そうと思った幼少期のエピソードはあったのか。ただたんに貧しい孤児で、宇宙を自由に飛び回りたかっただけなのか。
また、帝国の将校という魅力的(裕福)な地位を捨ててまで、奴隷を開放しチューバッカを救った英雄的行動の原動力はなんだったのか、その行為にいたるまでの葛藤はなかったのか。
強いて真新しいものを挙げるとすれば、
- 見たこともないぐねぐねした列車(なんのためかは不明)
- 感情があるのかないのかわからないアンドロイドL3(一応ホロリとはきました)
くらいでしょうか。
ここまでは『スター・ウォーズシリーズ』経験者だったら、のお話。
逆に、全くスター・ウォーズについての知識がない人が、個別のSF作品だと思って鑑賞したときどのような面白さがあったのか。すべてを感じ取ることはできませんが、少なくとも「任侠もの」っぽい面白さは確かにあったと思います。
困っている人を見捨てず、自己犠牲の精神をもって物事に取り組むハン・ソロの姿勢と、その浮薄ながらも愉快なキャラクターは、日本人にもすんなり受け入れられそうです。
だからこそ、もうちょっと体張ってもよかった気がするんですけどねえ…
単純にSF作品としてみた場合は素直に楽しいです。しかし、アクション映画としてみた時、あんまカッケェ!となったアクションはほとんどありませんでした。(『ローグ・ワン』のドニー・イェンがカッコよすぎた)
とくに、大ボスのはずのドライデン(ポール・ベタニー)、だめだめすぎませんか?
武器はかっこいいんですが、明らかに避けてくれと言わんばかりの緩慢な剣戟にはちょっとげんなりしました。
さすがにフォースを使った戦いに期待はしていなかったので、誰かほかに見どころとなるアクションができる配役はなかったかなあ、と総じて惜しい部分が目立ちます。
ということで、イメージしていたものと全然違ったので、全体的な評価は低めですが、続編もあるんですよね?ないの?
まあハン・ソロと結ばれる相手は決まっているので、なかなか悲劇的な展開しか見えてきませんが、王道の「怪盗もの」、または「任侠もの」路線で貫いてくれれば、続編も案外期待できるんじゃないかと思ってます。
では!