通販ミステリ

   ミステリファンならずとも、誰しもが安く手軽に本を手に入れたいと願っていると思う。そんな全ての読書家にとってかかせない通販サイトといえば「BOOKOFFオンライン」だろう。かくいう私もかなりお世話になっている通販サイトである。その閲覧回数といったら、同じ教室内に好きな女の子がいる時くらい、ちらちらと頻繁に覗いている気がする。

 

 

   私を駆り立てる要因は、税込99円~という超お手頃価格の本を自宅に居ながら配送料無料(1,500円以上の注文)で手に入れることができる、という利便性の良さ。そして、欲しい本を「入荷お知らせメール」に登録することで、すぐにとはいかなくとも、わざわざ出歩くことなく希少本でも簡単に手に入る可能性が増える。という2点である。

   今日は、今私が「入荷お知らせメール」に登録しているなかなか古本屋でお目にかかれない希少本を披露しようと思う。「なかなかお目にかかれない」といっても、私が出不精なだけで、出会わないだけかもしれが…

 


Entry No.1『勇将ジェラールの回想』アーサー・コナン・ドイル

   コナン・ドイルがナポレオンについての歴史資料を読み漁っているうちに誕生したキャラクター「ジェラール准将」を主人公に据えた歴史小説、というのがその枠組みだろう。ただ、かなり前にどこかのサイトで“酒場で聞いているような”という評を目にした。これは妄想だが、ヨーロッパの○○亭みたいな名前の酒場でいつも酔っぱらって若い頃の武勇伝を披露する元騎士とそれを「またいつものが始まったよ」と飽き飽きしながらも、聞いてしまう読者。そんな構図ではないか。なかなかそんな作品に出会うこともなく、続編の『~の冒険』とともに是非一度読んでみたい一作である。


Entry No.2『帽子から飛び出した死』クレイトン・ロースン

   奇術師探偵グレート・マーリニの生みの親で自身もアマチュア奇術師という異色の作家が書いた第一長編。シリーズ最終作『棺のない死体』は昨年めでたく復刊したのだが、第一作がなかなか手に入らないため読めない日々が続いている。


Entry No.3『世界ミステリ作家辞典 本格派篇』森英俊

   海外ミステリではなく、海外のミステリ作家の辞典である。所持しておられるミステリファンの感想を見ると、「永久保存版!」とか「ミステリファン必携!」という言葉が躍っており、自分も早く永久保存したいし、必携したいと思わされる。

   定価は7,560円とやや高額で、たしかに払う価値はあるのかもしれないが、中古価格はなんと1/3以下の2,050円と超お買い得である。後学のためにも、いちミステリファンとしても必ず手に入れたい一冊である。

 

 


   以上「入荷お知らせメール」に登録しているほんの一部を紹介してきたが、ライバルを増やすことにはなりはしないかと危惧している。今だって、メールが来てすぐに在庫確認のページに飛んでも、既に在庫切れなんて時もあって、どこかで不正が行われているんじゃないかと疑いたくなる時もある。

   ちなみに登録した本がお店に入荷されたとメールが来るのは、きまってお昼の12時~13時の間である。願わくば、全国のライバル諸氏がゆっくりお昼ご飯を食べてスマホをチェックせんことを願う。そもそも食事中にスマホを触るのはマナー面で考えても良くないし、スマホから発せられる電磁波が味覚を狂わせるなんてこともあるとかないとか。ごにょごにょ。

 

 

では。