2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

あおむしがチョウになるまで

虫の写真が出てくるので、苦手な方は【閲覧注意】ぷにぷにの可愛い幼虫だよ 職場であおむしを見つけた。もう可愛くて可愛くて仕方がない。家に持って帰って、息子にも見せてやりたかったのだが、虫嫌いの妻の許可は出ず。「自分のことがちゃんとできるように…

『さよならダイノサウルス』ロバート・J・ソウヤー【感想】恐竜だぞ面白くないわけがない

END OF AN ERA 1994年発表 内田昌之訳 ハヤカワ文庫 ロバート・J・ソウヤーはカナダのSF作家。SFに関する賞を数多く受賞しながらも、雑誌編集者やSF作品の脚本家・専門家として第一線で活躍している。彼の作品はごりごりのSFでありながら、日本のミステリフ…

ROCK AND ROLL AND RAMBLE【The Rolling Stones】

The Rolling StonesのシンボルマークであるLips and Tongue、ヒンドゥー教の破壊を司る神カーリー神からインスピレーションを得ている 10年以上も昔、同級生とロックバンドを組んでいたとき、ある先輩バンドマンが言いました。「ギターはバンドの血液、ベー…

『本命』ディック・フランシス【感想】硬派と軟派のあいだ

Dead Cert 1962年発表 菊池光訳 ハヤカワ文庫発行 ディック・フランシスという男 ディック・フランシスは1920年ウェールズ生まれ。祖父の代から競走馬の世話や騎手、厩舎に関わりのある家庭で育ち、フランシスも幼少期から乗馬をこなすなど馬になじみの深い…

『指輪物語 二つの塔 上1・上2・下』J.R.R.トールキン【感想】中つ国の地図が欲しい

THE LORD OF THE RINGS 1954年発表 瀬田貞二・田中明子訳 評論社文庫発行 www.bokuneko.com www.bokuneko.com 超ざっくり『旅の仲間』のおさらい フロドと8人の仲間たちはいろんなことがあって一の指輪を葬る旅に出た。 がしかし、矢継ぎ早にいろんなことが…

『月光ゲーム Yの悲劇’88』有栖川有栖【感想】大学いっときゃよかった

表紙のおじさん誰?(めっちゃ失礼してたらどうしよう) 1989年発表 江神二郎1 創元推理文庫発行 国内ミステリの傑作を少しずつ読んでいく企画。島田荘司、綾辻行人ときてお次は有栖川有栖に挑戦です。 幸か不幸か、いくら国内ミステリの傑作とはいえ、あら…

『吠える犬』E.S.ガードナー【感想】今日もカッコいいぜ!おれは吠える

THE CASE OF THE HOWLING DOG 1938年発表 弁護士ペリー・メイスン4 小西宏訳 創元推理文庫発行 前作『幸運の脚(幸運な足の娘)』 次作『奇妙な花嫁』 隣人の家の犬が吠えて迷惑だ、という依頼を受けたメイスンだったが、隣人の主張によると犬は吠えなかっ…

『フレンチ警部と毒蛇の謎』F.W.クロフツ【感想】倒叙のようで倒叙でない

ANTIDOTE TO VENOM 1938年発表 フレンチ警部18 霜島義明訳 創元推理文庫発行 前作『シグニット号の死』 次作『フレンチ警部と多忙な休暇』 三大倒叙の一つと呼ばれる『クロイドン発12時30分』を生み出して以降、クロフツの倒叙に対する興味はしばらく色褪せ…

『震えない男』ジョン・ディクスン・カー【感想】展開力を楽しむ

THE MAN WHO COULD NOT SHUDDER 1940年発表 ギデオン・フェル博士12 村崎敏郎訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ―525 前作『テニスコートの殺人』 次作『連続殺人事件』 ネタバレなし感想 飛びつく椅子、揺れるシャンデリア、曰く付きの幽霊屋敷を買い取った物…

『神は銃弾』ボストン・テラン【感想】神とかどうでもいい、紙は重厚

GOD IS A BULLET 1999年発表 田口俊樹 文春文庫発行 英国推理作家協会(CWA)の新人賞を受賞し、スリラー・ノワール・純文学の巨匠たちとも比較されることの多いボストン・テランのデビュー作だ。 500頁を超える雄編だが、物語はいたってシンプル。カルト集…