2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『きまぐれロボット』星新一【感想】子どもにも読ませたい

1966年発表 角川文庫発行 収録作 部門別ベスト3 ロマン部門 SF部門 ホラー部門 ユーモア部門 フラッと立ち寄った古本屋で見つけた一作。そういえば子どものころ理論社発行の絵本版『きまぐれロボット』にどっぷりハマっていたっけ。だからか今でもタイトル…

刑事コロンボ感想【♯1~♯5】

突然始まりました、刑事コロンボの感想記事。ミステリ好きなら外せないシリーズです。 最近、三谷幸喜氏脚本の名ドラマ古畑任三郎シリーズのリメイクの噂が出ましたけど、本作がモデルになってるわけで、やっぱり見とかないといけません。数年前に見た作品も…

『ウィッチフォード毒殺事件』アントニー・バークリー【感想】犯罪学の試みが大成功

1926年発表 ロジャー・シェリンガム2 藤村裕美訳 晶文社発行 前作『レイトン・コートの謎』 次作『ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎』 アントニー・バークリーが創造した名探偵ロジャー・シェリンガムシリーズ第2作です。シリーズ第1作『レイトン・コ…

『読者よ欺かるるなかれ』カーター・ディクスン【感想】語彙力崩壊級の問題作

1939年発表 ヘンリー・メリヴェール卿9 宇野利泰訳 ハヤカワ文庫発行 前作『五つの箱の死』 次作『かくして殺人へ』 ネタバレなし感想 めちゃくちゃカッコいいですよねタイトル。響きも良い。「るる」の部分が特に最高です。でもオシャレなタイトルと違って…

『月長石』ウィルキー・コリンズ【感想】安心してください、めっちゃ面白いですよ

1868年発表 中村能三訳 創元推理文庫発行 衝撃的で視覚に訴える殺人事件や目を瞠るトリック、秀逸かつ説得力のある動機、予想を覆す意外な犯人。これらは推理小説にとって必要不可欠なものと言われています。一方で登場人物のリアリティやユーモア描写は付加…

『春にして君を離れ』アガサ・クリスティ【感想】バイブルにしたい必読書

1944年発表 ノンシリーズ 中村妙子訳 ハヤカワ文庫発行 すごいすごいとは聞いていましたアガサ・クリスティ(メアリ・ウェストマコット名義)『春にして君を離れ』は確かにすごかった。 クリスティ自身が自伝の中で「自分で完全に満足いく一つの小説を書いた…

『五つの箱の死』カーター・ディクスン【感想】牛乳パズルみたい

1938年発表 ヘンリー・メリヴェール卿8 西田政治訳 ハヤカワポケットミステリー発行 前作『ユダの窓』 次作『読者よ欺かるるなかれ』 テーブルを囲む4人の男女。3人が苦しみ、1人は死んでいる。衆人環視の中盛られた毒、血の滴る仕込みナイフ、忽然と消…