2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

楽しかったが好きじゃない【感想】エラリー・クイーン『アメリカ銃の謎』

発表年:1933年 作者:エラリー・クイーン シリーズ:エラリー・クイーン6 訳者:中村有希 エラリー・クイーンの国名シリーズもついに6作目に突入しました。 創元推理文庫から年に1冊ペースで新訳版が出ているので、そちらで読み進めています。今年も出る…

『グレイテスト・ショーマン』【ネタバレ気味感想】人は解り合えない、が前提の哀しい映画

引用:2017 Twentieth Century Fox Film Corporation ミュージカル映画って… 作品自体が偉大なSHOW クライマックス・サプライズ フリーク(奇形)を扱った映画として おわりに ものっそい影響されやすいタイプなんです。わたくし。 先日『グレイテスト・ショ…

【ネタバレなし】たなか亜希夫『グロコス/Glaucos』息苦しくなりたいときにどうぞ

たまにだが、何だか胸が締め付けられるような、息が苦しくなるような、そんな漫画を読みたくなることはないか。 熱血王道少年漫画じゃなく、友情や愛情などベタベタな展開を省いた、酸素濃度の薄い漫画を読みたくはないだろうか。そんな時にオススメの漫画が…

ザ・クラシック・ミステリ【感想】オースチン・フリーマン『赤い拇指紋』

発表年:1907年 作者:オースチン・フリーマン シリーズ:ソーンダイク博士1 訳者:吉野美恵子 前回読んだソーンダイク博士ものの短編集が、ホームズのライヴァルたちと銘打たれていたこともあって、てっきり短編でしか登場しないと勘違いしていました。そ…

頑張れ!頑張るな!という矛盾【感想】ヘンリー・ウェイド『推定相続人』

発表年:1935年 作者:ヘンリー・ウェイド シリーズ:ノンシリーズ 訳者:岡照雄 倒叙です。 あんまり倒叙ものを読んだ経験に乏しいので参考になるかわかりませんが、ありきたりなプロットなのによく出来ていると思います。 訳者の岡照雄氏という名前は、あ…

クリスティの円熟を感じさせる一作【感想】アガサ・クリスティ『白昼の悪魔』

発表年:1941年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:エルキュール・ポワロ20 訳者:鳴海四朗 ほぼ半年ぶりのポワロものの長編です。 去年は月一ポワロを目標にしていたのですが、1940年代に挑む前にそれ以前の積読がどんどん増えてきて…ちょっとペースダウ…