2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

よく読まれてはいないけど比較的お勧めしたいミステリ感想記事10選【2017年第三四半期】

もうこの企画の要旨も前提もすでに崩壊してしまっているんですが、とりあえず1年間はくじけずやっていこうと思います。 初めて当記事をご覧になる方のためにこの企画の目的を簡単に説明しますと、 2017年を四半期ごとに区切り、該当期間内によく読まれたミス…

劇場型ミステリのお手本【感想】S・S・ヴァン・ダイン『カブト虫殺人事件』

発表年:1930年 作者:S・S・ヴァン・ダイン シリーズ:ファイロ・ヴァンス5 さてさて久しぶりのヴァン=ダインです。 思い返すと、前回から1年以上経っていたので、すんなり世界観に入り込めるか不安でしたが、なんのその、あっという間に古き良き本格ミス…

粗の数々もそれすら愛おしい【再読感想】アガサ・クリスティ『スタイルズ荘の怪事件』

発表年:1920年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:エルキュール・ポワロ1 始めて本作を読んだのが、随分昔のことのように感じます。この度、当ブログの企画の一つで記事同士の体裁を整えるために、改稿を加えようと思ったのですが、前回が思った以上に中…

物語は腰砕け?【感想】レックス・スタウト『腰ぬけ連盟』

発表年:1935年 作者:レックス・スタウト シリーズ:ネロ・ウルフ2 まずは粗あらすじ かつて一人の少年を破滅させた学生一同は、贖罪連盟なる団体を結成し、その少年を援助してきた。少年は大人になり、かつての地位も名誉も回復したかに思えたが、突然連盟…

『ワンダーウーマン』【感想】なんでだろう、こんなに涙が出る映画だっけ

涙が出る蛇口のパッキンが腐ってるみたいです。なぜか涙が止まりません。 今回も序盤も序盤15分くらいでウルウル来てますからね。ヤバいです。 さてさて、いろんな意味(フェミニズムだったりキャメロンだったり)でハリウッドを賑わした、DCコミック原作の…

一冊で二度おいしい短編集【感想】アガサ・クリスティ『パーカー・パイン登場』

発表年:1932~1934年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:パーカー・パイン うんこれは良いな~ほんと良いです。 クリスティの短編集は、『リスタデール卿の謎』『死の猟犬』『謎のクィン氏』とちょっとオフホワイト(笑)な作品も含まれる短編集を読んで…

大好きな【うさるの厨二病な読書日記】にYellを

Yell 叫び声をあげる、大声で叫ぶ、どなる エールって、応援、的な意味はなかったんですね。 今日は、ちょっといつもの方針から逸脱して、あるブログについて書きたいと思っています。 わけあって更新が途絶えている(といっても2週間ですが)【うさるの厨…

読書が遅々として進まない13の理由

こうゆうのを書くからほんとうはダメなんですけどね。 最近めっきり読書数が減ってしまいました。前までは月平均6冊くらいは読めていたのですが、7、8月はともに4冊でした。海外ミステリの読了とその感想というのが、当ブログの生命線ですからこれは由々…

一部ミステリ初心者にとっての関門あり【感想】ドロシー・L・セイヤーズ『ピーター卿の事件簿Ⅱ顔の無い男』

顔のない男―ピーター卿の事件簿〈2〉 (創元推理文庫) 作者: ドロシー・L.セイヤーズ,Dorothy Sayers,宮脇孝雄 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2001/04 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (5件) を見る 発表年:1925~1939年 作者:ド…

名作と名高いエラリー・クイーン『悲劇四部作』は本当に順番に読む必要があるか

先日定期購読している『推理小説読んでみる?』で、エラリー・クイーンの悲劇四部作をオススメする記事を読みました。 kirakunimystery.hatenadiary.jp タイトルで誤解を招いてはいけないので、補足しておきますが、今日の記事は、 「どこが本当に名作なんだ…

フレンチ警部シリーズのトライアルにしてはまずまず本気【感想】F.W.クロフツ『ポンスン事件』

発表年:1921年 作者:F.W.クロフツ シリーズ:ノンシリーズ ようやくクロフツのノンシリーズものの長編を読み終えました。クロフツのノンシリーズもののミステリは、クロフツの代表作『樽』、そして『フローテ公園の殺人』と『製材所の秘密』のたった4作で…