2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ブラウン神父の秘密【感想】G.K.チェスタトン

発表年:1927年 作者:G.K.チェスタトン シリーズ:ブラウン神父4 『童心』『知恵』『不信』に次ぐ第4作目『ブラウン神父の秘密』ですが、シリーズ作品の中では唯一、プロローグとエピローグという形で書かれています。 プロローグである「ブラウン神父の秘…

これはいい探偵【感想】『矢の家』A.E.W.メイスン

発表年:1924年 作者:A.E.W.メイスン シリーズ:アノー2 1910年の『薔薇荘にて』でフランス警視庁のアノーを生み出したメイスンは、10年以上もの月日を経て、ようやく第2長編『矢の家』を発表しました。 第1作目の『薔薇荘にて』は、シャーロック・ホーム…

青いルパン【感想】モーリス・ルブラン『リュパンの冒険』

発表年:1909年 作者:モーリス・ルブラン シリーズ:アルセーヌ・ルパン3 リュパンorルパンは出版元による違いだけなのでお気になさらず。記事内ではタイトル以外ルパンに統一してます。 実は推理小説と並行して唯一読み進めているのが冒険小説であるアルセ…

絶対に開けちゃいけない、でも開けちゃう【感想】イーデン・フィルポッツ『灰色の部屋』

発表年:1921年 作者:イーデン・フィルポッツ シリーズ:ノンシリーズ まずは 粗あらすじ チャドランズ屋敷には、過去に二人もの人間を不可解な方法で屠った「灰色の部屋」があった。ある夜、二人の青年が閉ざされた「灰色の部屋」の悪評を撥ね退けるべく、…

安楽椅子探偵のようで安楽椅子探偵に非ず【感想】バロネス・オルツィ『隅の老人の事件簿』

発表年:1904年~ 作者:バロネス・オルツィ シリーズ:隅の老人 本作は、シャーロック・ホームズのライバルの一人としても有名な隅の老人が登場する短編集ですが、日本で独自に編纂された短編集のため、この1冊だけではシリーズの魅力を語り尽くすことはで…

いつものクロフツ節にしっかり騙される【感想】F.W.クロフツ『フローテ公園の殺人』

あけましておめでとうございます。本年1発目は、昨年同様クロフツから。別に図ったつもりはないんですが… 発表年:1923年 作者:F.W.クロフツ シリーズ:ノンシリーズまずは 粗あらすじ 南アフリカの鉄道トンネル内で発見された男の死体。彼はなぜ鉄道事故に…