2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夜歩く【感想】ジョン・ディクスン・カー

学生時分は夜更かしなんてあたりまえで、夜行性の人間だったと思うのですが、年を取ると、さらに言えば子どもが生まれたりなんかすると、めっきり夜更かしは少なくなって、9時くらいになると眠たくなってくるし、朝7時になると自然に目が覚めます。 中高生の…

毒を食らわば【感想】ドロシー・L・セイヤーズ

発表年:1930年 作者:ドロシー・L・セイヤーズ シリーズ:ピーター・ウィムジィ卿4 “毒を食らわば皿まで”というのは、ご存知の通り、一度悪事に手を染めたなら最後までやり通そうという邪な考えを例えた諺です。 つまり毒を飲んで死んでしまうことが決まっ…

ライノクス殺人事件【感想】フィリップ・マクドナルド

発表年:1930年 作者:フィリップ・マクドナルド シリーズ:ノンシリーズ 話は少し感想から外れますが、推理小説の感想を書くときには、あらすじでさえ省略したいと常々思っています。 これから殺人事件が起ころうとする作品は特にそうです。決して、あらす…

グリーン家殺人事件【感想】S・S・ヴァン・ダイン

発表年:1928年 作者:S・S・ヴァン・ダイン シリーズ:ファイロ・ヴァンス3 ヴァン=ダインの代表作の一つに数えられる本作は、前2作と打って変わって、密度の濃い、サスペンスフルな作品となっています。 というのも本作はグリーン家の面々が次々に襲われ…

カナリヤ殺人事件【感想】S・S・ヴァン・ダイン

発表年:1927年 作者:S・S・ヴァン・ダイン シリーズ:ファイロ・ヴァンス2 前作『ベンスン殺人事件』で心理分析による捜査法を実演して見せたファイロ・ヴァンスですが、それはいささか無理のあるものにも思えました。さらにワトスン役のヴァン=ダインの…

フランス白粉の謎【感想】エラリー・クイーン

発表年:1930年 作者:エラリー・クイーン シリーズ:エラリー・クイーン2 前作『ローマ帽子の謎』以上に魅力的な舞台、登場人物、豊富な謎が用意され、緊張感溢れる結末部もさることながら、トリック・キャラクター・プロット等の全てのバランスが取れたま…