『その裁きは死』アンソニー・ホロヴィッツ【感想】次もめっちゃ期待しているのは秘密だ

The Sentence Is Death 2018年発表 ダニエル・ホーソーン2 山田蘭訳 創元推理文庫発行 前作『メインテーマは殺人』 ネタバレなし感想 《謎探偵の推理過程》 おわりに ネタバレなし感想 『メインテーマは殺人』に次ぐ、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第二…

『テニスコートの殺人』ジョン・ディクスン・カー【感想】終わり良ければ全て良し

The Problem on the Wire Case 1939年発表 ギデオン・フェル博士11 三角和代訳 創元推理文庫発行 前作『緑のカプセルの謎』 次作 『震えない男』 “足跡のない殺人”を扱ったギデオン・フェル博士シリーズ第11作。怪奇や密室といったカーお得意の要素が無いの…

『怪盗ニック全仕事1』エドワード・D・ホック【感想】初心者のためのミステリ

1966~72年発表 ニック・ヴェルヴェット1 木村二郎訳 創元推理文庫発行 エドワード・D・ホックという男 エドワード・D・ホック(Edward Dentinger Hoch)は1930年にニューヨークに生まれた。幼少期からエラリー・クイーンの作品に魅せられ、高校を卒業す…

息子が小学生になる不安だ

息子がもうすぐ小学生になる。不安だ。ちゃんと勉強についていけるのか。誰かを傷つけたり、逆に傷つけられたりしないか。先生とはうまくやっていけるか。大なり小なり絶対にトラブルはあるだろうし、壁にぶつかるのは間違いないだろうけど、その未来があと…

『人類狩り(ビーストチャイルド)』ディーン・R・クーンツ【感想】他のモダン・ホラーものに期待

1970年発表 榎林哲訳 創元SF文庫発行 ネタバレなし感想 ディーン・R・クーンツがモダン・ホラーの巨匠と聞いて、最近ホラー作品にも興味が出てきたことから手に取ってみた作品。優れたファンタジー・SF作品に贈られるヒューゴー賞の候補作にもなったというこ…

『四つの凶器』ジョン・ディクスン・カー【感想】どんな作り方でもカレーは美味しい

The Four False Weapons 1937年発表 アンリ・バンコラン5 和爾桃子訳 創元推理文庫発行 前作『蝋人形館の殺人』 パリ予審判事アンリ・バンコランシリーズ最終作がついに新訳で登場しました。1958年発表のポケミス版が全然手に入んないんですよねえ。この8…

『幸運の脚(幸運な足の娘)』E.S.ガードナー【感想】ミステリ史初の解決編?

The Case of the Lucky Legs 1934年発表 ペリー・メイスン3 中田耕治訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリー発行 前作『すねた娘(怒りっぽい女)』 次作『吠える犬』 ネタバレなし感想 「“幸運の脚の女性”マージョリーというモデルが詐欺にひっかかった」彼女…

ブログをやっておいて良かったと思う理由2選

〜な理由◯選とかにしておけば絶対大丈夫と、Google先生は仰っていたのですが、選が少な過ぎる場合の書き方は教えてくれなかったので、このまま投下いたします。 早いものでブログを開設してから6年が経ちました。最初の投稿をしてから約1年はさぼっていた…

『評決』バリー・リード【感想】正しさを求めた男たちの英姿

1980年発表 ダン・シェリダン1 田中昌太郎訳 ハヤカワ文庫発行 バリー・リードという男 バリー・クレメント・リードは1927年カリフォルニア生まれ。第二次世界大戦にも従軍し、終戦後はボストンカレッジで法学の学士号を取得し弁護士としての道を歩み始めま…

『毒ガス帯/地球の悲鳴/分解機』アーサー・コナン・ドイル【感想】表題作だけじゃない粒揃いの中短編集

1913~1929年発表 チャレンジャー教授2 龍口直太郎訳 創元SF文庫発行 前作『失われた世界』 次作『霧の国』 一言で「面白い!」と言える名作短編集だった。約100年も前に書かれたとは思えない謎めいたSF小説として、またチャレンジャー教授のハードボイルド…

『金蠅』エドマンド・クリスピン【感想】鋭いトリックのその先に

1944年発表 ジャーヴァス・フェン教授1 加納秀夫訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリー発行 次作『大聖堂は大騒ぎ』 初エドマンド・クリスピンということでまずは簡単に作者紹介から。 エドマンド・クリスピンという男 エドマンド・クリスピン(本名ロバート・…

原因不明の頭痛・眼痛に一週間悩まされた原因が全く驚くに値しなかった件

※筆者は医療従事者ではなく、当記事も一体験談であり治療方針等を指示するものではございません。 SEO対策的には「驚愕の原因」とかにするところだが、いたって普通の結果だったため何か変な感じになったがご了承いただきたい。同じようなことで悩んでいる方…

ぼくねこ、家を買う【見極めろ、営業マン編】

前回の投稿から早くも1年が経とうとしているが、2020年7月現在まだ家は建っていない。建っていないどころか着工もしていない。コロナウイルスの影響は住宅業界にも波及しており、特に中国に工場を持つ住宅設備メーカーが打撃を受けたことにより、住宅設備…

『ガーデン殺人事件』S.S.ヴァン・ダイン【感想】予定調和が心地良い

1935年発表 ファイロ・ヴァンス9 井上勇訳 創元推理文庫発行 前作『カシノ殺人事件』 次作『誘拐殺人事件』 結論から言うと普通に面白かったです。「普通」というと失礼かつ曖昧な表現になってしまいますが、古き良き時代の雰囲気を保ったまま、ミステリにお…

『ハートの4』エラリー・クイーン【感想】ハート♡が邪魔

1938年発表 エラリー・クイーン13 青田勝訳 創元推理文庫発行 前作『悪魔の報復(報酬)』 次作『ドラゴンの歯』 本作は≪国名シリーズ≫と≪ライツヴィルシリーズ≫をつなぐ≪ハリウッドシリーズ≫……ってコレ、ここ何作かのエラリー・クイーンの感想でずっと言っ…