トリックの大渋滞につき注意【感想】ジョン・ディクスン・カー『三つの棺』

発表年:1935年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士6 粗あらすじ 超自然的な現象を解き明かすことにかけては著名なグリモー教授のもとに、突如一人の奇術師が現われた。彼が残した「三つの棺」という不吉な言葉と脅迫めいた文句…

これは良い伯母ミステリ【感想】アントニイ・バークリー『ピカデリーの殺人』

発表年:1929年 作者:アントニイ・バークリー シリーズ:アンブローズ・チタウィック2 粗あらすじ 犯罪研究家のチタウィック氏はピカデリーホテルのラウンジで休憩中、図らずも重要な事件の目撃者になってしまう。絶対の自信がありながらも警察側と容疑者側…

世にも奇妙な短編集【感想】ドロシー・L・セイヤーズ『ピーター卿の事件簿』

発表年:1928~1938年(日本独自編纂) 作者:ドロシー・L・セイヤーズ シリーズ:ピーター・ウィムジィ卿 ちょっとねぇ本作は意表を突かれたというか、予想外だったというか、良い意味でしっかり裏切られた短編集でした。 そもそも日本独自に編纂された短編…

杉なのに花粉症にならないヒーリングミステリ【感想】『杉の柩』アガサ・クリスティ

発表年:1940年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:エルキュール・ポワロ18 さっそくタイトルから何言ってんねん、とツッコみを受けそうですが心から言っています。これは癒されます。 あらすじは不要でしょう。開始早々法廷を舞台に容疑者として裁かれる…

見取図はいらないけど間取図だけは欲しい【感想】『死時計』ジョン・ディクスン・カー

発表年:1935年 作者:ジョン・ディクスン・カー シリーズ:ギデオン・フェル博士5 あらすじを書くのも億劫になるくらい、展開がややこしい…時計職人の家で不審者が不思議な兇器で死ぬ。これくらいしか確かなことが言えません。 カーのやりたかったこと、つ…

2017年上半期読了ミステリベストテン

2017年上半期は、去年以上に新しい推理小説作家に多く出会った半年でした。

よく読まれているミステリ感想記事7選【2017年第二四半期】

相も変わらず、アガサ・クリスティ原作『ABC殺人事件』と『ひらいたトランプ』の感想記事が良く読まれています。これら以外の2017年第二四半期によく読まれている記事をまとめてみようと思います。ついでに昨年以前に書かれた記事は様式が今のものと全然…

謎解きも容易だ【感想】アガサ・クリスティ『殺人は容易だ』

まずは粗あらすじ 《謎探偵の推理過程》 発表年:1939年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:ノンシリーズ(バトル警視登場) まずは粗あらすじ イギリスの植民地マヤン海峡に駐在していた元警官ルークは、偶然乗り合わせた列車で親切そうな老婦人と出会う…

時代別にミステリを読む意義とは

前にも言ったかもしれませんが、私はミステリをほぼ発表年順に読んでいます。さらによっぽど入手不可の作品じゃない限りシリーズ順にです。なんだ、そんなのあたりまえだろ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、単純に「そうしたい」からという拘りだ…

ABC殺人事件を連想させる完全殺人【感想】クリストファ・ブッシュ『完全殺人事件』

粗あらすじ 《謎探偵の推理過程》 余談 発表年:1929年 作者:クリストファ・ブッシュ シリーズ:ルドウィック・トラヴァース2 最近では論創社の論創海外ミステリシリーズでお目にかかることも多いクリストファ・ブッシュという作家ですが、文庫派の私にとっ…

【SUV車に乗りたい人におすすめ】ざっくりSUV車所見

最近車の乗り換えを検討しておりまして、毎週のようにディーラーに通って車を見学しています。そこで自身の記憶の補完のためにも、また購入の際の検討資料にするためにも、まとめて記事にしてみようと思います。ついでに、同じようにSUV車の購入を検討してお…

どうか神様こんなクリスマスになりませんようにアーメン【感想】アガサ・クリスティ『ポアロのクリスマス』

発表年:1938年 作者:アガサ・クリスティ シリーズ:エルキュール・ポワロ17 「思いきり兇暴な殺人を」 というリクエストを受けて作られた本作は、その期待に応えるだけの力作にはなっています。多少ハリボテ感がしないでもないですが… まずは粗あらすじ ク…

『LOGAN/ローガン』【ネタバレ感想】今までのX-MENシリーズとは一線を画すヒューマンドラマ

引用:http://www.foxmovies-jp.com/logan-movie/sp/productionnotes.html X-MENファンなら必ず見ておきたいウルヴァリンが出演する最終作、ということでさっそく見てきた。

堂々と生涯ベストテンにくい込む超傑作【感想】パトリック・クェンティン『俳優パズル』

発表年:1938年 作者:パトリック・クェンティン シリーズ:ピーター・ダルース2 今年読んだミステリで群を抜いて面白かったです。前作『迷走パズル』で少し触れましたが、感想を書く前にもう一度パトリック・クェンティンという作家についておさらいしたい…

ブログ初心者がブログ初心者へ偉そうなことを言う

今月毎日書いてきた記事のまとめ記事で最終日を埋めてしまうとは、なんともカッコ悪いんだけど、そもそも今月毎日更新しようと思ったのには一応の理由があったのでそこから始めようと思います。