死んだ後でも観れるもんなら何度でも観たい、とにかく自分が大好きな映画を100作リストアップすることを目的に始まった企画ですが、やっとNo.2です。
このままのペースなら、50年後に完結する予定なので、下手したら冗談じゃなく死んでるかも…
ちなみにこの記事は、当ブログの他の記事と違って、作品の感想が読みたい、という読者ではなく、
死んでも観たい映画ってあるのかな?
みたいな狂気に心を侵された読者のみを対象にしています。
だから“死んでも見たい(or観たい)”ではヒットしても、作品名では絶対にヒットしないことに逆に変な高揚感があったり…
本日ご紹介する作品は、前回の記事『No.1 ビバリーヒルズコップ』を観終った後に既に決めていました。
さて、本作の主演は、最近出演する作品を全く選ばなくなってきたニコラス・ケイジ。そして、こちらも作中で女装したり、ヒくほど航空機オタクだったりと話題に事欠かないジョン・トラボルタ。
そう
『フェイス/オフ』(1997)
です。
映画好きではありますが、専門誌などを全く読まないので、本作のトリビア的な情報はほとんど紹介できません。監督のジョン・ウーらしさ、みたいなものも全部省略します。Wikiをご覧ください。全部書いてるので。
やはり当ブログ、本企画では「何度でも観たい」と思うポイントを中心に、暑苦しくご紹介したいと思います。
まずは
粗あらすじ
FBI捜査官ショーン・アーチャー(ジョン・トラボルタ)はテロリストのキャスター・トロイ(ニコラス・ケイジ)から爆弾の在り処を聞き出したいけど、植物状態になったからムリ!こうなったらキャスターを「フェイス・オフ(顔を剥がす)」して整形だ!キャスターの弟に情報を聞きに行ったはいいけど…あれれれ?これすっごくヤバいんじゃない?
パッケージ画像だったり、いろんなところで紹介されているあらすじで晒されているので、決してネタバレってわけじゃないと思うんですが、本作のキモは、顔面交換にあります。
つまり、設定上はジョン・トラボルタが正義で、ニコラス・ケイジが悪なのに、途中から顔を交換してしまう所為で、ジョン・トラボルタが胸糞悪い極悪人に、ニコラス・ケイジが正義と家族を愛する善人になってしまいます。
このように、途中でキャラクターが正反対なものになるにもかかわらず、全く演じているという違和感が無いんですよね。
むしろ、こっちの方がしっくりくる、というか。
10代の多感な時期に観まくったせいか、未だに、ジョン・トラボルタを見ると腐れ外道が!と思っちゃうし、ニコラス・ケイジはいつも必死で頑張っているおじさんにしか見えない。
この明らかに異常なことが起こっているのに、むしろぴったり・しっくりくる感じっていうのは、間違いなく観ないとわからない。
「観ないとわからない」というのがなんとも意地悪で、今までこの映画を色んな人にオススメしてきたけど、あらすじを紹介しただけでは
ふ~ん、なんかどっかで聞いたことある設定ね
くらいのうっすいリアクションだし
それなんてSF?
とか言われる始末。
いや、たしかにSF要素はあるんだけど、ツッコミどころ満載だし、薄味だし、文句のつけどころは多々あるけど、そこじゃない。
だから、色々考えて、簡単で伝わり易い言葉で
とにかく、ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタの演技力を見てほしい
と言ってます。
これはこれで、今の若者には理解してもらえないのかもしれない。
え?ニコラス・ケイジの演技力(笑)?みたいな。ナメんじゃねえ。すごいんだぞニコラスおじさんは。
ちょっと変な方向に行き出したので軌道修正
あと、固有名が五月蠅く感じてきたので省略します。
この全体に漂うフィット感の正体についてちゃんと文章にしてみようと思います。
これはもうバランスですバランス。
ケイジが悪人と善人を演じていた時間のバランス(比率)、そしてトラボルタが善人と悪人、そしてまた善人を演じていたバランス(比率)です。これはほぼ1:9ないしは2:8で、入替った後の人格の方が二人とも比が重いはずです。
時間にすると2時間近く私たちは、トラボルタが入ったケイジ(=善)と、ケイジが入ったトラボルタ(=悪)を見るわけなんですが、実は、中に入っている人がどうこうじゃなく、視覚的に単純に顔だけを見て、ケイジは善人でトラボルタが悪人、と思い込まされている(刷り込まれている)節があるんじゃないでしょうか。
それでも設定上は、ケイジは悪人で、善人はトラボルタなんですよ…でもやっぱり、頑張れ!と応援する顔はケイジで、死ね!って思うのはトラボルタなんで、終盤に行くにつれ、ケイジの顔が好きになってくるけど、本当は悪人で…めくるめくワンダーランド。
なので、これはしっくりくる、と言うよりかは視覚のトリックと言って良いと思います。
このままではストーリーのほぼ全てをネタバレしてしまうことになりかねないのでそろそろ自重しますが、ある程度、監督のジョン・ウーが観客の感情を揺さぶる計算をしていたのは確かなようで…
心臓が飛び出るくらいのドンデン返しがあるわけでもなく、そもそも謎も何もないんですが、主演二人に対する観客の心情をコントロールする、というもの凄くトリッキーなことを作品の中では仕掛けようとしています。これは2回以上観るとよく感じていただけるかも。
何度も観すぎると、生涯においてケイジとトラボルタに対するイメージががっつり差別化されてしまうという弊害があったりしますが、最近の出演作を見てると、そんなに役を選ばんからどっちでもいいか…
あとすっかり忘れていましたが、アクション映画としても最高クラスの出来だと思います。
ワイヤーが丸見えだったり、スタントばりばりなところもありますが、とにかく発想が凄い。
どんな思考でこんなアクションをやろうと思ったのか、監督の頭を覗いてみたいところ。アクション知識に乏しいので、詳しい方に解説をお願いしたいくらい。
個人的に好きなのは、最終盤のチェイスシーン。むやみやたらに交差しまくるのが堪りません。ほら、最後の最後、あいつがカチャってして、あいつがグッとするじゃないですか?でもガッとして、ビシュッみたいな。クゥ~~~~からのジーーーザス!みたいな。
和洋中全てのメインディッシュだけ出されているような豪華すぎるアクションに舌鼓を打つこと間違いなし。
…最後の最後で大事故起こした気がしますが、良いんですよ。自分が…あくまで自分が、死んでも何度でも観返したい映画なんですから。
余談ですけど、これをシルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツネッガーで撮ろうと思ってた(Wiki調べ)なんて狂気の沙汰ですね。
ということで、死んでも観たい映画100選No.2は『フェイス/オフ』でした。また数ヶ月後お会いしましょう!
では!