僕の猫舎

主に海外ミステリの感想を綴るブログです

2017年下半期読了ミステリベストテン

残念なことに、2017年の下半期は読了本がかなり少なく、たったの27作。

ベストテンの信頼性も薄いですが、決してオススメできない作品は無いんですよね。

 

この半年は、とにかくカーを読み進めました。

目標はなんといっても傑作と名高い『ユダの窓』

11月にやっと読めたのですが、さて何位にランキングしているんでしょうか!?

え?

そんなにワクワクしない?

とりあえずやってみましょう。

 

 

第10位『パンチとジュディ』(1936)カーター・ディクスン

イギリスの人形劇「パンチとジュディ」を形容するかのようなドタバタ、メタメタなミステリなんですが、なんだかスゴイものを読んでしまった…という衝撃(笑劇)だけはガッツリあります。

探偵の立ち位置も秀逸で、カーのサービス精神満載の作品。

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第9位『弓弦城殺人事件』(1934)カーター・ディクスン

密閉された古城、というのがツボに入りました。密閉されていない古城『髑髏城』とともに是非読み比べるのも面白そう。古城ミステリの佳作だと思います。

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第8位『カブト虫殺人事件』(1930)S・S・ヴァン=ダイン

ヴァン=ダインはどんどん良くなっている印象があります。たしかに現代から眺めると、ミステリ作家としては尻すぼみというか、残念な部分もありますが、本作は彼の不器用さ・不自然さが逆に功を奏した一作です。

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第7位『一角獣の殺人』(1935)カーター・ディクスン

どっかで見た設定だな、と舐めていたら、完全に足下をすくわれました。

あらためてカーのストーリーテリングの巧さを感じるとともに、展開や演出で読者を裏切ってくれる稀有なミステリです。

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第6位『マシューズ家の毒』(1936)ジョージェット・ヘイヤー

決めなきゃいけないところで決めきれなかった前作『紳士と月夜の晒し台』と打って変わって、全てにおいて上を行くジョージェット・ヘイヤーの第二長編。

自分でもなんで6位なのか、上手く説明できないのですが、感想の詳細は来年書くつもりなのでそちらをご覧ください。

 

 

 

第5位『愛国殺人』(1940)アガサ・クリスティ

黒いクリスティが垣間見える長編ミステリとして、忘れられない一作になりました。

ただ忘れられないのは、展開ともう一つある一点のみ。マザーグースの押しも弱く、トリックもそこまで尖っていない。なのにやっぱり余韻が良い。

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第4位『第三の銃弾』(1937)カーター・ディクスン

設定もそうですが、密室トリック、人間ドラマ、偶然の要素、どこを切り取っても水準以上の秀作です。

ボリュームも中編に毛が生えた程度なので、初心者にも比較的お勧めしやすいミステリです。

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第3位『時計は三時に止まる』(1939)クレイグ・ライス

たしかに面白いんですよ。デビュー作でこれだけのものが書けるなら、次もかなり期待しています。

でもですね、面白い、というのとミステリとしてどうか、というのは別次元の話。最上とはとてもじゃないけど言えないトリックですが、理知的なトリックにどこか人間臭さを感じるところが高評価のポイントです。

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第2位『ユダの窓』(1938)カーター・ディクスン

1位と思ったでしょう。そうでしょう。

たしかに、ミステリファン必読の傑作でした。

もしかすると法廷ミステリとしても頂点かもしれません。…とりあえずこちらからは以上です。

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第1位『不変の神の殺人』(1936)ルーファス・キング

感想をまだアップできていないので(来年1月予定)詳細は言いにくいのですが、控えめに言って最高です。自分のつけてる評価表によると、生涯ベストでも10位なんですよね…ちょっと興奮し過ぎた気もしますが。

 

とりあえず、読んだ直後の読書メーターに書いた自分の感想を転載します。

物語上ありきたりなスリラーかと思いきや、終盤は怒涛の畳み掛けで何回転も捻りを利かせて見事な着地を見せてくれる

ミステリ界のシライです。

本作って名実が公平に評価されてないんじゃないでしょうか。そもそも誰も持っていないのか?

もし積んでいる読者がいれば、是非読むことを強く強くお勧めします。

 

 

短編部門

短編ミステリは、アガサ・クリスティから『パーカー・パイン登場』『死人の鏡』『黄色いアイリス』の3編。

どれも個性的で甲乙付け難い作品ですが、『死人の鏡』はリピートしたくなるエルキュール・ポワロものの中編集でした。

『黄色いアイリス』はまだ感想を書けていないのですが、少なくとも『パーカー・パイン登場』、ポワロものミス・マープルものの長編をいくつか読んでからチャレンジしたほうが良さそうです。

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その他

本格ミステリ以外ではルパンシリーズから『813』『続813』を、ウィリアム・ゴールディングの『蝿の王』を、あと冒険ミステリ風のアガサ・クリスティ『NかMか』を読みました。

 

やっぱり『蝿の王』は衝撃的でした。すんなりミステリに戻れなくなるくらい、独特の強い引力を持った名作文学だと思います。

再読はちょっとしんどそうですが、他の方がどんな感想を持たれるかはとても興味があります。是非、感想をブログに書いた方、ご一報ください。

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あ…G.K.チェスタトン『木曜の男』を忘れてた…そのままにしときましょう。

 

 

 


ということで、この半年はカーを重点的に読み、Twitter界隈でもたびたび話に挙がる『ユダの窓』も経験できたおかげで、少しミステリファンとしても成長できたかな(皆さんのお話もわかるようになってきた)と感じています。勘違いかも…

 


来年の前半は、たぶんクロフツ祭りをしながら、クレイグ・ライス、クリスチアナ・ブランド、エリザベス・フェラーズあたりの新顔にもチャレンジできるはず。

ただ2月以降は、PS4のゲーム『MHW(モンスター・ハンター・ワールド)』にのめり込んでいる恐れがございます。

今年以上に遅読になり、更新頻度も少なくなるかもしれませんが、これからも≪僕の猫舎≫をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

最後に、2017年当ブログを支えていただいた全ての読者の方々に心を込めて、

ありがとうございます。

 

どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。

では!